7月の合同カンファレンスの報告

【文責】中川泰伸、丹羽智史【所属】手の外科

2016年7月21日、研究棟1号館地下1階会議室において、名古屋大学整形外科合同カンファレンスが開催されました。今月は静岡済生会総合病院が担当されました。

演題1 新救急救命センター・手術棟の紹介 伊藤英人先生

今年5月に救急救命センター、手術室、ICUを含む新東館が開設された。「整形外科」と「手外科・マイクロサージャリ―センター」を標榜し2014年度に1452件、2015年度に1340件の手術(うち6割が緊急手術)が行われた。

演題2 当院の上位頚椎損傷に対する治療 伊藤英人先生

上位頚椎損傷に対する一般的な治療法、過去5年間の環軸椎骨折の治療経験が提示された。5例の環椎骨折を経験し、3例が手術を要するJefferson骨折であった。14例の軸椎骨折中12例が歯突起骨折、2例が軸椎関節突起間骨折であった。

演題3 小児上腕骨顆上骨折の骨折部に橈骨神経が挟まれて骨癒合した症例 藤原高先生

7歳女児、開放性上腕骨顆上骨折(Gartland type III、Gustilo I型)に橈骨神経麻痺を呈した1例が提示された。橈骨神経束の一部が骨折部に挟まれた状態で骨癒合しており、挟まれた神経束の切離と端々吻合が施行された。整復時に神経を挟み込む危険性、神経障害例の中には骨癒合前に観血的手術を要する症例が存在することを念頭に置くべきである。

演題4「手外科・マイクロサージャリーセンターの現況報告」 矢﨑尚哉 先生

2014年4月に手外科・マイクロサージャリーセンターが開設された。2015年の手外科領域の手術件数は565件であり、整形外科手術の1/3程度であった。静岡県は木工、製紙、自動車、水産・加工業、お茶関連の地場産業が盛んであり、特殊な機械による上肢外傷が多い。代表症例5例が提示された。

Short Lecture : 小学生野球肘検診の報告 膝肩班 山下暁士先生

2016年1月23日に名古屋大学で行った小学生軟式野球選手に対する野球肘検診の結果が報告された。参加者117名、要二次検診は12名 (10.2%)であった。外側OCD疑い 9名中実際にOCDと診断されたのは5名、その中で進行期は1名のみであった。要二次検診と関連した評価項目は、ステップ側の股関節内旋、投球側の肘伸展、右外上顆の圧痛、acceleration phase test陽性の4項目であった。保護者アンケートの結果はおおむね好評であったが、時間が長くかかった点は不評であった。事前に訓練するなど検者間測定差が出ないよう工夫する必要性のあることが分かった。