9月の合同カンファレンスの報告

【文責】杉浦洋、北村暁子【所属】小児班

2016年9月15日、研究棟1号館地下1階会議室において、名古屋大学整形外科合同カンファレンスが開催されました。江南厚生病院が担当しました。

1. 橈骨遠位端骨折 –成績不良例をなくすための戦略−  加藤 宗一先生

プレートによる長母指屈筋腱皮下断裂のような成績不良例をなくすため、ガイドライン・文献を参考に治療の標準化を検討した。合併症は減少し、良好な成績を得られるようになった。

2. 強度変形性膝関節症に対するナビゲーションTKA  藤林 孝義先生

内反角20度以上の強度変形、RAによる脆弱骨の双方とも、ナビゲーションTKAの使用により正確なコンポーネント設置と軟部バランスが得られた。ナビゲーションTKAは強度変形であっても従来よりも分散や誤差が少なく、術者間による差も生じにくい。手術時間も、手技の習熟により短縮傾向にある。

3. 脊椎術後感染のリスク評価と予防  佐竹 宏太郎先生

脊椎手術において、SSIは尿蛋白(+)で有意に増加しており、血糖コントロールには左右されない。DM、肥満、ステロイド内服などハイリスク症例において3時間以上の手術ではフィブリン糊併用VCMパウダーの創内散布がSSI予防に有効であった。

4. 運動機能を考慮したTHAの考え方  川崎 雅史先生

THA後の運動機能を維持するため、Z-hipを用いた至適範囲へのインプラント設置、セラミックス/セラミックスベアリングの使用、Muscle sparing approachを意識して手術を行っている。direct anterior approachではレトラクターによる小殿筋のダメージは生じるが、中臀筋や外旋筋群を温存でき、安定した股関節機能が獲得できる。

ショートレクチャー:リウマチ非専門医によるRA患者のマネジメント法  浅井 信之先生

外来診察でRAを疑った場合、両手、両足、疼痛部位のレントゲン撮影とRFや抗CCP抗体を含めた血液検査を行う。症状がなくても関節破壊は進行している場合があるため、足部レントゲンは重要である。薬剤開始前のスクリーニング後MTX週6~8mgの内服を開始するが、診断に自信がなければ専門医へのコンサルトで構わない。周術期はMTXの休薬は術前2週、生物学的製剤はSSIがやや多いためレミケードは4週、その他は2週休薬とし、感染なく創治癒すれば術後2週くらいから再開する。タクロリムスは術前数日、リマチル・アザルフィジンは術直前まで内服して構わない。

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