12月の合同カンファレンスの報告

【文責】横田裕(リウマチ班)、長田侃(小児班)

2017年12月21日、研究棟1号館地下1階会議室において、名古屋大学整形外科合同カンファレンスが開催されました。若手整形外科医による症例提示、半田市立半田病院からの講演、小児班からのショートレクチャーがありました。

症例1「Delbet-Colonna分類2型小児大腿骨頚部骨折の治療経験」豊田厚生病院 舘 寛人 先生

小児大腿骨頚部骨折に対して、受傷当日に骨接合術を施行し術後1年以上経過した。現在まで大腿骨頭壊死は生じず、経過良好である。関節内減圧によって壊死の発生リスクを軽減できるとの報告があるため、関節包切開の併用や後療法の工夫が望ましい。

症例2「初診時皮膚潰瘍を伴った肩関節炎の一例」津島市民病院 朝本 学宗 先生

初診時すでに瘻孔形成と関節破壊を認め、右結核性肩関節炎と診断した。抗結核薬の内服によって瘻孔は閉鎖し、骨溶解像も改善した。近年、骨関節結核症例は少ない上、感染部位として肩関節は頻度が少ないため、診断の遅れに注意する必要がある。

症例3「小児Hume骨折の一例」名古屋第一赤十字病院 井戸 洋旭 先生

小児Hume骨折に対して、回内位で橈骨頭脱臼を認めるため観血的手術を施行した。腕橈関節内に介在物は認めず、過屈曲すると回内位で整復位が得られたため、過屈曲回外位でのギブス固定とした。尺骨bowingの徒手整復は困難であったが、外固定の肢位を工夫することで整復位を維持できた。

症例4「前腕骨骨幹部骨折再骨折の一例」名古屋第一赤十字病院 杉浦 洋貴 先生

右橈骨骨幹部骨折に対して、プレート固定術後9か月で抜釘し、抜釘から1か月後に再骨折を来したため、プレート再固定術を施行した。抜釘は術後1~1.5年以上経過して行うことが推奨されており、またroutineでの抜釘は勧められない。

演題1「肩関節手術における腕神経叢ブロックに有用性と問題点」高橋 亮哉 先生

鎖骨や上腕骨の骨接合術の麻酔方法として、斜角筋アプローチの腕神経叢ブロックがある。この方法は安全かつ低侵襲であり、全身麻酔と比較して手術時間を有意に短縮することができる。

演題2「多発肋骨骨折に対する手術」大高 圭司 先生

肋骨骨折は90%以上が保存治療で治癒するとされているが、手術を要する場合がある。フレイルチェストに骨接合術を行うことで、呼吸器管理やICU管理の日数は短縮され、肺炎などの合併症を予防できる。

ショートレクチャー:「小児整形外科が苦手な人のためのDDH診断と治療」北村 暁子 先生

若手整形外科医にとっては、少なからず乳幼児股関節の診療に苦手意識はあるが、危険因子や診療方法について学ぶことでその意識を変えることができる。DDHのリスクファクターや治療方法についてレクチャーされた。

12月の合同カンファレンスの報告