4月の合同カンファレンスの報告

【文責】金子慎哉、清水光樹

2018年4月26日、研究棟1号館地下1階会議室において、名古屋大学整形外科合同カンファレンスが開催されました。若手整形外科医による症例提示、膝肩スポーツ班からのショートレクチャーがありました。

症例1「肩甲骨関節窩骨折をともなった陳旧性肩関節脱臼骨折(Bony Bankart Lesion)の一例」 名古屋第一赤十字病院 田中 佑樹 先生

高齢女性の肩甲骨関節窩骨折と肩関節脱臼の陳旧例を経験した。関節窩に大きな骨欠損を認めたため、骨接合+骨移植+coracoid transfer手術を選択した。患者の愁訴が少なければ保存治療も考慮されるが、OAが進行すればRSA(Reverse型人工肩関節)も選択肢となる。

症例2「小児外傷性股関節前方脱臼の一例」 JCHO中京病院 上田 哲太郎 先生

小児の左股関節前方脱臼(閉鎖孔脱臼)の症例を経験した。受傷後速やかに徒手整復、ギプス固定し、その後装具を用いて加療を行い、経過良好である。小児の股関節脱臼は稀であり、整復後の後療法についてのコンセンサスは得られていない。

症例3「パーキンソン病合併の後側弯症患者に脊椎手術を施した一例」 豊田厚生病院 長田 直祥 先生

下肢不全麻痺を呈したパーキンソン病患者の脊椎後弯症の手術を経験した。二期的にアライメント補正と前方支柱再建術を行った。経過は良好で独歩可能となり、腰痛や逆流性食道炎の症状も消失した。パーキンソン病患者では合併症が多く、リハビリにも注意が必要である。

症例4「MRSAによる乳児殿部化膿性筋炎の一例」 あいち小児保健医療総合センター 澤村 健太 先生

乳児の左殿部化膿性筋炎を経験した。ドレナージ手術と抗菌薬投与で改善した。診断が困難なことが多く、MRIは股関節炎との鑑別に有用である。

大学担当:膝肩スポーツ班ショートレクチャー
「膝肩スポーツ班の膝周囲骨切り術 – Around Knee Osteotomy (AKO) -」 宮本 健太郎 先生

膝OAや骨壊死に対してAKOが見直されており、重労働やスポーツ愛好家にはTKAよりも骨切り術の方が満足度は高い。下肢アライメントを計測し、膝の状態に応じて骨切り部位や術式を選択する必要がある。

4月の合同カンファレンスの報告