ご挨拶

名古屋大学医学部 整形外科学/リウマチ学 主任教授  今釜 史郎

教授室

はじめに

みなさんこんにちは。名古屋大学整形外科ホームページをご覧いただきありがとうございます。2020年(令和2)年7月に、名古屋大学整形外科学/リウマチ学の第7代主任教授に就任しました今釜です。名古屋大学医学部は2021年で創基150年を迎え、名古屋大学整形外科同門会(名整会)は会員数950名を超える、歴史あるとても大きな医局です。昨年の名古屋大学整形外科新入局者数は全国一となり、毎年多くの若手整形外科医を迎えています。名古屋大学整形外科と名古屋大学関連病院では、経験豊かな先輩医師が、活気ある優秀な若手医師が仲良く協力して、高度な整形外科/リウマチ診療と最先端の研究に取り組んでいます。今後も私たちが新しい医療の開発と確立に挑戦し、国内や国際的な整形外科学/リウマチ学の発展を通じて、患者さんの医療に大きな貢献をする責任を感じています。

整形外科学とは

頭部以外、からだの幅広い部位を担当します。骨や関節軟骨、靱帯、筋組織、神経に至るまでたくさんの疾患があります。患者さんは小児整形疾患から高齢者の変性疾患、外傷に至るまで全ての年代が対象です。臨床医療の魅力では、整形外科診療は診断、治療、社会復帰、そして予防に至るまで、患者さんの運動器の問題を全て担当します。特に薬物やリハビリテーションなど多岐にわたる保存治療と、手術治療の両方があること、そして、手術治療においても骨の切除や金属を用いるダイナミックな手術手技と、末梢神経や脊髄を顕微鏡で操作する繊細な手術手技の両方が、高度に求められる点も特徴です。最近、整形外科でも遺伝子レベルで疾患の研究が進んでいますが、まだまだ多くの整形外科疾患の病態や最善の治療法が明らかでなく、基礎研究や臨床研究を通じて、現在も増え続けている整形外科患者さんの治療に貢献できるところも、今後が期待される重要な診療科として、国内外で位置づけられています。

名古屋大学整形外科/リウマチ科の特長

手術教室の理念は、世界に発信できる整形外科学基礎・臨床研究の実践、患者さんに還元できる研究や診療の実践、地域医療を支える人材の育成です。大学病院ですので、高度な診療と研究の両方が求められますが、患者さんへの高度で最先端の医療の提供は私たちの仕事の基本だと思っています。常に国際的に最善の医療を名大病院で提供できることを意識して最新の知識と技術を習得し、すべての患者さんに最善の医療を行うように努めます。名古屋大学整形外科内には脊椎、リウマチ、股関節、膝肩関節、小児整形、腫瘍、そして手の外科の7つの専門グループがあり、それぞれ専門的な最先端の治療に取り組んでいます。また名古屋大学整形外科の関連病院は愛知県内外に75施設あり、最新の医療の共有や患者さんのご紹介など、患者さんの状態により臨機応変できめ細かい医療に対応しています。また先進医療としては再生医療技術を用いた細胞培養・移植による治療法を行っており、名古屋大学整形外科独自の最先端研究に基づく骨再生、神経再生、疼痛治療など、各種臨床治験を施行しています。また、他大学や企業との共同研究も多数行っています。

これから整形外科医を目指す若い先生方へ

手術整形外科は人体の幅広い部位を担当し、診断・治療・予防に至るまで一貫した治療を提供できるやりがいある診療科です。またこれからの医療では専門性が求められますが、整形外科では脊椎脊髄外科、関節リウマチ、関節外科、小児整形外科、骨軟部腫瘍、手外科、運動器リハビリテーション、スポーツ整形外科、外傷などサブスペシャリティが幅広く、整形外科の中でもさらに、自分の希望や個性に合った専門分野を仕事にすることができます。名古屋大学整形外科では多くのサブスペシャリティを専門班として充実し、診療・研究とも、国内外の医療を牽引する立場となっています。また整形外科医療や研究は一人で行うことが難しい場合がありますが、常にチームを意識しています。その点でも、多数の関連病院による先輩後輩の仲良く指導いただける関係や協力体制は、安心して医療が出来る強みです。また多数の入局者数による同期入局者の助け合いや、お互いを高めあう良い刺激は、名古屋大学整形外科の診療・研究・人材育成の上でかけがえのない特長です。整形外科医は明朗快活がモットーでチーム医療の絆があります。医療従事者同士、楽しくコミュニケーションをとることは医療の質を向上し、整形外科患者さんの癒やしに繋がります。今後の人口減少に伴う医師のあり方が懸念される中、国内外でますますニーズが高まる整形外科は重要な診療科であり、整形外科学/リウマチ学の高度医療の実践と医療の発展をともに目指していきたいと思います。

整形外科医を目指す女性医師の方々へ

昨年2019年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、2019年6月5日に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が公布されました。この法律は男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり、女性がその個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍することを重点的に推進し、豊かで活力ある社会を実現することを目的としています。整形外科医療においても女性医師が活躍することが増え、名古屋大学整形外科の2019年度新入局員の中にも4名の女性医師が入局いただいています。また、整形外科は「力仕事」というイメージもありましたが、整形外科/リウマチ科には薬物治療を含めた保存治療とともに、サブスペシャリティの多さから男性でなくても支障がない手術も多く、むしろ繊細な手技を求められることが多くなってきました。また整形外科領域にとどまらず幅広く重要な、リハビリテーション科も注目され、名古屋大学整形外科女性医師が複数活躍しています。女性医師が休職する理由は出産70%、子育てが38%と報告されていますが、豊富な関連病院と多数の医師が入局する名古屋大学整形外科医局がサポートすることで、産休・育休も問題なく取得できます。また産休・育休後の職場復帰についても、多彩な関連病院があることから、そのときの状況に応じた勤務先を医局と相談することもできます。また、大変人数が多い名古屋大学整形外科同門会(名整会)では、多くの女性医師が参加する整形外科女性医師の会があり、整形外科医としての生活やキャリアパスについて相談しています。もちろん、名古屋大学整形外科医局としても、できる限りのサポートをしたいと考えています。

最後に

手術私たちは医師である誇りを胸に整形外科医として、まず患者さんを温かい心を持って癒やし、最善の医療を提供しなければなりません。そのために名古屋大学整形外科では、それに相応しい人格と最先端の知識、最高の医療技術を併せ持つ人材の育成と、最善の医療を提供して患者さんを治療する責任があります。さらに現存する知識や医療の限界を打破し、さらに医療を発展させる研究を行うことも、患者さんへより良い医療を提供し貢献することに繋がります。今後ますます増える整形外科患者さんに真摯に向き合い、みんなで連携・協力して、国際的にもハイレベルな医療を提供できるよう、精一杯努めたいと思います。