下肢

脚長不等(きゃくちょうふとう)

血管異常に伴う脚長不等
血管異常に伴う脚長不等

下肢の長さに左右差がある状態で、下肢の過成長や成長障害、形成不全が原因となります。先天性と後天性に大別され、先天性には①生下時より下肢の形成不全がはっきりしている場合、②成長とともに脚長差が明らかとなってくる場合があります。後天性には①外傷や感染、腫瘍が原因で骨端成長線が障害され脚長差が発生する場合があります。治療の目的は成長終了時に脚長差を2 cm以内に収めることで、原因や現在の年齢や脚長差、将来の脚長差の予想に基づき治療法を選択します。一般に脚長差が2 cmを超えてくると短い側に履く靴を加工して補高します(中敷きや靴底を厚くする)。脚長差が5 cmを超えてくると短い側の大腿骨や下腿骨の骨延長術を行います。脚長差が2~5 cmでは長い側の骨成長を抑える骨端成長線発育抑制術が適応となります。

培養骨髄細胞移植を併用した骨延長術はこちらをご覧下さい。

下肢変形(かしへんけい)


外傷後、左大腿骨遠位骨端線早期閉鎖に伴う外反膝変形
創外固定器を用いた変形矯正および骨延長術
(左から手術前、矯正および延長中、矯正後)

O脚変形(内反膝)とX脚変形(外反膝)は、①幼児期の生理的変化(正常)、②先天性疾患(骨系統疾患や下肢の形成不全症)、③外傷、感染、腫瘍をきっかけとした骨端成長軟骨線の障害、④くる病、⑤ブロント病などが原因で起こります。骨の短縮を合併した片側例では脚長不等も生じます。治療としてはまず変形の矯正や進行の予防を目的に装具治療を行います。これでも変形が悪化していく場合や装具治療に耐えられなければ手術を行います。成長終了まで時間的余裕があれば、特別なプレートやホッチキス針を使って骨端成長軟骨線の発育を部分的に抑制し、成長とともに変形を矯正していく骨端成長線発育抑制術を行います。成長が終了してしまうとこの方法はできないため、変形した部位での矯正骨切り術を行います。変形の矯正や骨延長はゆっくりと行う必要があるため通常は創外固定器を使用します。