よくあるご質問

診療班メニュー

脊椎班(更新日 2018年12月1日。文責 小児班 医師  小林和克

脊柱変形(側弯症)

Q1.原因は何ですか?
未だはっきりわかっていません。特発性側弯症については、遺伝子が関わっているといわれていますが、必ずしも遺伝するものではありません。

Q2.装具は効果がありますか?
全員に対してではないですが、ある程度の進行を食い止められることができます。

Q3.どこで治療すればよいですか?
側弯症の治療は高度の専門知識を要しますので、まずは脊椎脊髄専門医に受診してください。

脊椎腫瘍

Q1.脊椎腫瘍ってなんですか?
せぼねにできた腫瘍です。癌などからの転移と、原発性のものに分類されます。

Q2.手術したほうがよいですか?
放射線、化学治療が必要な転移性のものや、一塊にして摘出が必要な良性のものなど、原因によって様々です。

脊髄腫瘍

Q1.脊髄腫瘍ってなんですか?
脳からの信号を手や足に伝達する神経の束である脊髄およびその枝にできる腫瘍です。

Q2.手術しないといけませんか?
症状がない、もしくは軽度であれば様子みることもありますが、症状が進行していれば早期の手術をおすすめします。

靱帯骨化症

Q1.靱帯骨化症ってなんですか?
靱帯骨化症とは国の指定する難治性疾患で、脊髄の通り道にある靱帯がかたくなり、脊髄を圧迫する病気です。

Q2.原因はなんですか?
遺伝子の異常が指摘されていますが、まだ原因不明な部分が多いです。

Q3.手術でなおりますか?
骨化した場所によっては非常によくなることもあります。

小児班(更新日 2018年12月1日。文責 小児班 医師  鬼頭浩史

先天性内反足

Q1.普通に歩き、運動できるようになりますか?
変形が正しく矯正されて足底で接地でき、神経筋疾患を合併していなければ、痛みなく普通に歩いたり走ったりできるようになります。

Q2.どのように治療していくのでしょうか?
診断後すぐ、ギプス固定を行いながら徐々に矯正していく「矯正ギプス治療」を始めます。通常週に1回の頻度でギプス巻きを行い、1~2ヶ月かけて矯正していきます。ある程度矯正されたところでアキレス腱を踵の部分で切離し、さらに3週間ギプス固定します。
「矯正ギプス治療」が終わると、矯正された足の形を維持するために「装具治療」に移ります。2つの靴底に横棒を取り付けた装具(デニスブラウン装具)を、立ち上がるようになるまでは1日中、その後は睡眠時に付けるようにします。変形の再発を予防するため、デニスブラウン装具は3~4歳頃まで付けるようにします。装具治療として靴型装具や足底板を歩行時に装着することもあります。

Q3.手術が必要となることはありますか?
特に神経筋疾患を合併した内反足では、しばしば変形が再発し足底での接地ができなくなります。こうなると骨同士をつなぐ靭帯や関節包を切離し、突っ張っている腱を延長して変形を矯正する「軟部組織解離術」が必要となります。

発育性股関節形成不全(以前の先天性股関節脱臼)

Q1.脱臼の治療はどのように行うのでしょうか?
生後3か月頃から寝返りを始める頃(生後6ヶ月)までの期間は、バンド(リーメンビューゲル)治療によって脱臼を整復し安定化させます。寝返りが始まるとバンド治療では整復できないため、当科では緩徐牽引治療(オーバーヘッドトラクション法)による保存的整復を行います。

Q2.脱臼が治ったら治療は終わりですか?
脱臼が整復されても経過観察は必要です。整復後に大腿骨の付け根部分が変形したり(阻血性大腿骨頭壊死)、いつまでも骨盤の屋根の形が悪かったりする(臼蓋形成不全)ことがあるためです。この場合には股関節の形を正常に近づける「補正手術」が必要となります。

Q3.原因は何でしょうか?
未だ原因ははっきりしませんが、生まれ持った素因(遺伝要因)に環境要因が加わって発症する多因子疾患とされています。女児に多く、母親や祖母に脱臼の既往があることは遺伝要因の存在を意味します。環境要因として股関節の自由な動きを妨げる着衣や抱っこ(過度のおくるみや横抱っことなるスリングなど)が挙げられます。向き癖は生理的に反対の股関節の開き(開排動作)を妨げるため、強く長引く場合は注意が必要です。

歩容異常

Q1.歩き始めたばかりなのですが、よく転ぶし足の動きが左右で異なります。
3歳頃までは歩き方には個人差が大きく、正常と異常の区別は困難です。総合的に精神運動機能の発達を評価し、遅れや後退があれば異常と判定します。

Q2.内股歩行で転びやすいのですが異常でしょうか?
内股歩行は通常、すねの骨(脛骨)や太ももの骨(大腿骨)の生理的な捻れを原因とし、幼児ではしばしば見かける状態です。こうした骨の捻れは成長とともに段々と治っていきますが、遺残することもあります。転びやすく困っていれば、足底板による装具治療を行います。股関節の外旋を妨げるとんび座りは避けあぐら座りをして下さい。

Q3.O脚やX脚ですが病気でしょうか?
子供の脚の弯曲は成長とともに変化していき、学童期までに成人の状態に近付きます。歩き始めから2歳頃まではO脚(両足を揃えると膝の間が開く)、その後3~4歳頃まで徐々にX脚(両膝を揃えると足の間が開く)に向かい、小学校入学頃までに軽度X脚で落ち着きます。多くが生理的変化であり心配要りませんが、左右差があったり、痛みを伴ったり、改善なく悪化傾向であれば精査が必要です。

膝肩班(更新日 2018年12月1日。文責 膝肩班 医師  平岩秀樹

反復性肩関節脱臼

Q1.どのような疾患でしょうか?
スポーツや転倒した時などに、肩関節に強い外力が加わることにより脱臼してしまうことがあります。初回の脱臼の際に壊れてしまった部分が元通りには治癒せず、緩んでしまうことで、その後軽度の外力で脱臼を繰り返すようになったものです。俗に言うところの“肩が外れるのがクセになっている”という状態です。初回脱臼を起こした年齢が若い場合は50%以上の確率で反復性脱臼になってしまうと言われています。

Q2.筋力トレーニングで外れなくなるのでしょうか?
脱臼した際に壊れて緩んでしまった部分(靱帯や関節包など)がありますので、ある角度になるとどうしても脱臼してしまいます。筋力を鍛えることで、そのような角度になりにくくすることはできますが、確実に脱臼を防ぐという訳にはいきません。バランスの悪い筋力をつけるとかえって脱臼しやすくなる可能性もありますので、正しい筋力トレーニングを知っておく必要があります。

Q3.どのような治療法がありますか?
初回脱臼時に外旋位固定という方法で固定をすることで反復性脱臼になる確率を半減できるという説もありますが、反復性になってしまった場合は筋力トレーニングやサポーターなどで外れないように気をつけて過ごすか、手術をして靱帯の緊張を取り戻す必要があります。また骨が欠けてしまっている場合もありますので、やはりその状態に応じた手術が必要になります。現在では関節鏡を使った手術が主流で、ほとんどの患者さんが日常生活で脱臼することはなくなります。ラグビーや柔道、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではやや再脱臼率が高いと言われており、通常の方法に補強術を加えた手術を主に行っています。

前十字靭帯損傷

Q1.前十字靭帯損傷ってなんですか?
前十字靭帯は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつなぐ紐(靭帯)で、膝関節を安定化させ、脛骨が前方へずれるのを防ぎます。前十字靭帯はスポ-ツにより損傷することが多く、サッカーやバスケットボールでの急激な方向転換、バレーボールでのジャンプからの着地、ラグビーや格闘技で強制的に関節を曲げられた時などに、膝に過度な負担がかかることで損傷します。受傷時には膝の中で「ブチッ」と音がして、なんとか歩くことはできますがスポ-ツの続行は難しくなる事が多いです。前十字靭帯が損傷すると膝の安定性が失われるため、歩行やスポ-ツの際の痛みや膝くずれ(膝がガクッとする)を感じるようになります。

Q2.どんな治療法があるのですか?
前十字靭帯は自然治癒することはほとんどありません。そのため何らかの手段で失われた靭帯の機能を補うことが治療の目的となります。保存治療では膝周りの筋肉を鍛えたり装具を使用したりして、日常生活やレクリエーション程度のスポーツ復帰を目指します。しかし保存治療には限界があり、ハイレベルなスポ-ツ復帰のためには靭帯を作り直す(再建する)手術治療が行われる事が多いです。手術法はいろいろありますが、当院ではハムストリング腱(太ももの裏にある筋肉の腱)を用いた解剖学的二重束再建術を行っています。

Q3.手術した場合、どれくらいでスポ-ツに復帰できますか?
スポ-ツの種目にもよりますが、6~10か月ほどで復帰してもらう事が多いです。手術の時の入院は2週間程度ですが、その後も装具とリハビリは必要です。リハビリの進み具合をみながら月ごとに少しずつ運動を許可していき、6か月以降で元のスポ-ツへの復帰となります。再建した靭帯は一旦弱くなって再び強くなるという特徴があるため、これより早く復帰する事はおすすめできません。

変形性膝関節症

Q1.どのような疾患でしょうか?
正常な膝関節の表面は軟骨で覆われていますが、加齢に伴い、その軟骨の摩耗が少しずつ進行します。進行に従い軟骨および半月板の変性による関節炎が生じ、痛みや曲げ伸ばしの制限がおきたり、水が関節に貯まったりします。さらに進行すると関節周囲の骨がトゲのように盛り上がったり、軟骨の下の骨が露出して骨自体が変形します。このような変形により強い痛みが生じ、生活の質が大きく損なわれます。

Q2 変形を進行させないために何か気を付けることはありますか?
できるだけ膝に負担をかけない事が大事です。正座や和式トイレをなるべく避けたり、肥満にならないように注意しましょう。また、太ももの筋力はとても重要なので、適度な運動(歩行)や筋力を維持するための体操などを毎日少しずつしてみると良いでしょう

Q3. 脛骨高位骨切り術と人工膝関節置換術とはどう違うのですか?
変形性膝関節症が進むとO脚変形となり、膝の内側ばかり体重の負担がかかるようになるため、特に膝の内側が痛むことが多くなります。脛骨高位骨切り術では、O脚を矯正することで膝の内側にかかる負担を減らし、痛みを減らします。この手術では自分の骨が残るため、耐用性が高くスポーツを続けることも可能であり、比較的若くて運動希望のある患者さんに対して行います。ただし、負担を膝の外側に移すため、変形が進行した患者さんには適応になりません。一方、人工膝関節置換術は変形した骨の表面を切り取って、代わりに金属とポリエチレンでできた人工関節を入れる手術です。こちらは変形が進んだ患者さんにも適応があります。

手の外科(更新日 2018年12月1日。文責 手の外科 医師 岩月克之

上肢の神経疾患

Q1.どの様な神経麻痺が多いですか?
手根管症候群や肘部管症候群が多いです。最近では特発性前・後骨間神経麻痺の患者さんの紹介も多くなっています。他には外傷による神経損傷の方も良く紹介されてきます。

Q2.神経麻痺は治りますか?
麻痺の部位や程度など重症度によって異なりますが、末梢神経麻痺は適切に治療を行えば治る可能性があります。

Q3.どの様な治療を行っていますか?
病態に応じて、神経の圧迫や癒着が原因であれば神経剥離術を行い、神経の損傷が原因であれば顕微鏡視下に神経縫合術や神経移植術を行います。神経移植術は今までは自家神経移植術を行っていましたが、2013年からは人工神経も使用しています。

上肢の変形

Q1.どの様な上肢の変形が多いですか?
骨折後の変形治癒の患者さんが多く紹介されてきます。特に、橈骨遠位端骨折後の変形治癒や上腕骨顆上骨折後の内反肘変形などです。

Q2.変形治癒があるとどの様な症状を起こしますか?
関節の痛みや可動域の制限がよく見られます。さらに外観上の問題を気にされている方も多いです。

Q3.どの様な治療を行っていますか?
術前に撮影するCT画像などから変形を矯正するシミュレーションを行い、解析に基づいて正確に骨切り術と骨移植術を行っています。

デュプイトレン拘縮

Q1.どの様な治療がありますか?
2014年までは手術療法のみでしたが、2015年秋から酵素注射療法が厚労省で認可されました。患者さんの希望や手の状態に応じて手術か注射のどちらが良いかを判断して治療しています。

Q2.治療に入院は必要ですか?
手術治療の場合は原則的に入院しています。注射治療の場合は1泊入院する場合と外来のみの場合と両方行っています。

キーンベック病

Q1.痛みや手首の可動域は良くなりますか?
適切な治療を行えば痛みは殆どの患者さんで良くなっています。可動域は良くなる人と変わらないか制限が進行する人もいます。

Q2.どの様な治療を行っていますか?
進行例では主に手術治療が行われます。月状骨の改善の見込みがある場合は橈骨の骨切り術が主に行われています。月状骨の分節化が進んでおり回復が見込めない場合には月状骨を摘出し豆状骨を血管の付いた状態で月状骨の位置に移動させる手術などを行っています。

Q3.手術後はリハビリが要りますか?
殆どの方はリハビリを行っています。手術後はギプスなどを用いて一時的に手関節を固定しますので、固定がとれてから可動域や筋力を改善するリハビリを行っています。

TFCC損傷

Q1.どの様な治療を行っていますか?
損傷時期によっても異なりますが、まずはサポーターなどの手関節装具を用いて保存的治療を行います。保存的治療で症状の改善が見られない場合に手術治療を検討します。手術では始めに手関節鏡を行いTFCCの状態を観察し、変性所見が無く断裂のみであれば縫合術を行い、変性所見が主で縫合が困難な場合は尺骨短縮術を行っています。

Q2.手術後は患肢をどの程度使えますか?
TFCC縫合術後も尺骨短縮術後もギプスで前腕から手まで約1ヶ月間固定します。その後は手関節装具に変更し、さらに2~3ヶ月は固定を行います。その間は重労働やスポーツは原則禁止となりますが、手指はギプス中から動かせるため、軽作業やデスクワークは術後1ヶ月以内に復帰可能です。

股関節班(更新日 2018年12月1日。文責 股関節班 医師  関泰輔

臼蓋形成不全に対する偏心性寛骨臼回転骨切り術

Q1.手術の対象は?
基本的には50歳以下の若年者で関節の変形が少ない、前・初期股関節症の患者さんが対象となります。

Q2.2. 入院期間は?
手術翌日からリハビリを開始し、手術後3週で体重の約1/3の負荷をかけて松葉杖歩行を行い、階段昇降が可能となれば退院となります。

人工股関節置換術

Q1.入院期間は?
通常の手術であれば翌日から歩行リハビリを行い、手術後2週で退院となります。大腿骨骨切り併用、再置換術など特殊な手術では手術後3週程度です。

Q2. 人工関節の耐用年数は?
一昔前は15年から20年と言われていました。現在ではインプラントの改良が進み、それ以上の耐用年数が期待されます。そのため手術を受ける患者さんの年齢も低年齢化してきています。

特発性大腿骨頭壊死症

Q1.どのような病気ですか?
大腿骨頭の一部が血流不全に陥り、骨組織が死んでしまった状態です。ただし壊死が発症しても痛みが生じることは少なく、多くは壊死した部分が潰れることによって症状が出てきます。

Q2.原因は何でしょう?
詳細な原因ははっきりしていませんが、ステロイド薬を1日平均15mg以上服薬したことがある方、アルコールを毎日2合以上摂取している方は危険とされています。

Q3.経過はどうなりますか??
壊死は一度発症すると、壊死部は拡大しないとされています。そのため壊死部分が小さければ潰れる可能性が低いため、経過観察となります。壊死部が大きくても健常部分が残っていれば、大腿骨頭回転骨切り術や彎曲内反骨切り術によって体重がかかる部分に健常な部分を移動させる治療を行います。

リウマチ班(更新日 2018年12月1日。文責 リウマチ班 医師 小嶋俊久

関節リウマチ

Q1.どんな病気ですか?
免疫(からだに入ってくる細菌やウイルスなどの外敵を攻撃するしくみ)の異常により、主に手足の関節が腫れて痛む病気です。治療せずに放置すると、骨や軟骨が壊れて関節が変形し、日常生活に支障をきたします。関節の破壊は、発症後の早い時期(約2年間)に急速に進行するため、早期に関節リウマチを診断し、適切な治療を行うことが大切です。

Q2.遺伝しますか?
関節リウマチの原因は、まだはっきりとはわかっていません。もともとの体質(遺伝的要因)と、何らかのきっかけ(環境的要因)が重なって、免疫の異常が起きるものと考えられています。遺伝的要因として、関節リウマチにかかりやすい体質が親子間で引き継がれると考えられていますが、一般にそれほど強い遺伝性はありません。環境的要因としては、喫煙、感染症やけが、ストレス、出産などが挙げられています。

Q3.治りますか?
関節リウマチは治る(薬が必要なくなり、病気が再燃することがない)病気ではありませんが、関節痛などの症状が落ち着いて、病気の進行が止まっている状態(寛解)にすることは可能です。関節リウマチの治療目標は、寛解に到達し、維持することです。以前は、寛解に至る患者さんはごく一部でしたが、最近は早期からメトトレキサートをはじめとする抗リウマチ薬や、必要に応じて生物学的製剤を投与するようになり、半数近くの患者さんが寛解に到達し、関節破壊の進行も抑えられるようになっています。また、関節が変形して、機能障害をきたした場合でも、人工関節置換術をはじめとする手術で、痛みを取り除き、機能回復を図ることができます。

腫瘍班(更新日 2018年12月1日。文責 腫瘍班 医師  西田佳弘

骨軟部腫瘍全般

Q1.骨軟部腫瘍の原因は何ですか? 遺伝しますか?
骨や軟部に腫瘍が発生する原因として、ユーイング肉腫や滑膜肉腫などいくつかの腫瘍では腫瘍細胞において特徴的な遺伝子の異常が生じていることが分かっています。骨軟部腫瘍の多くは腫瘍細胞レベルの遺伝子異常であり、お子さんに遺伝したりすることはありません。一方、神経線維腫症1型・2型は遺伝する病気で、これらの病気では神経線維腫・神経鞘腫が多発することが知られています。

Q2.肉腫と癌の違いは何ですか?
悪性腫瘍には癌、肉腫、白血病や骨髄腫などの血液系腫瘍が含まれます。肉腫と癌の違いは悪性腫瘍の発生する組織の違いであり、骨、筋肉、脂肪、血管、神経などから発生した悪性腫瘍を肉腫と呼びます。

Q3.どのような場合に受診したらよいですか?
骨軟部腫瘍は組織型(腫瘍の種類)が多いため診断が難しく、専門施設も少ないことから、適切な診断や治療が遅れることがあります。骨や軟部の病変で腫瘍が疑われる場合は専門施設の受診をおすすめいたします。専門施設は大学病院・がんセンターであり、一般の市民病院等には骨軟部腫瘍を専門とする医師がいない場合がほとんどです。

Q4.どのように診断されますか?
骨や軟部に発生する病変としては腫瘍以外にも炎症・変性・腫瘍類似病変などがあり、それぞれ鑑別が必要となります。問診、視診、触診などの診察に加え、必要に応じてレントゲン、CT、MRI、PET、骨シンチグラフィーなどの画像検査、採血検査を行います。これらの検査により腫瘍が疑われ医師が必要と判断した場合は、生検により組織を採取し病理診断(顕微鏡による診断)を行います。

軟部腫瘍

Q1.軟部腫瘍はどのような症状がありますか?
多くの軟部腫瘍は痛みを伴わず、しこりが唯一の症状です。皮膚など体の表面に近い腫瘍はしこりとして触れやすいですが、深い部位に発生すると大きくなるまで無症状のこともあります。神経鞘腫や血管腫など一部の良性腫瘍は痛みを伴うことがあります。痛みを伴わない悪性腫瘍の多いことに注意すべきです。

Q2.良性の軟部腫瘍でも手術が必要ですか?
良性軟部腫瘍でも年齢、腫瘍の大きさ、発生部位、組織型(腫瘍の種類)により手術を行うことがあります。特に腫瘍により疼痛や機能障害を生じている場合や腫瘍の増大が予想される場合には手術(切除)を考える必要があります。一方、切除により機能が損なわれる場合や重篤な合併症が予想される場合は経過をみることがあります。

Q3.悪性の場合どのような治療をしますか?
手術が軟部肉腫(悪性軟部腫瘍)治療の要となります。手術は腫瘍の周囲に正常組織を一部つけて切除する広範切除が基本となります。腫瘍の大きさ、悪性度により化学療法を実施する悪性腫瘍があります。治療の一環として放射線療法を行うことがあります。悪性軟部腫瘍の中には、横紋筋肉腫のように手術治療・化学療法・放射線治療を組み合わせて実施することが必須である種類があります。

骨腫瘍

Q1.骨腫瘍とはどのようなものですか?
骨腫瘍は骨に生じた腫瘍を指し、良性と悪性に分けられます。悪性の中には原発性(骨自体から発生した腫瘍)と転移性(乳癌・肺癌などが血中を回って骨に来た場合)に分けられます。原発性良性骨腫瘍は骨軟骨腫、内軟骨腫、骨巨細胞腫、類骨骨腫、血管腫など、原発性悪性骨腫瘍は骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫などがあります。症状は多彩で、無症状でレントゲンにより偶然発見されるものから腫瘤や疼痛を伴うものまであります。

Q2.どのような治療を行いますか?
腫瘍の種類、部位、悪性度により治療は大きく異なります。良性骨腫瘍で無症状なものは手術せず様子をみる場合もあります。病的骨折や疼痛を伴う腫瘍、骨巨細胞腫などでは手術を行います。原発性悪性腫瘍の場合は組織型(腫瘍の種類)により治療方針が異なります。切除可能な骨肉腫やユーイング肉腫では術前化学療法→手術(広範切除)→術後化学療法により治療をします。軟骨肉腫では手術(広範切除)が治療の原則となります。

Q3.転移性骨腫瘍の場合どのような治療をしますか?
癌を診ている診療科と協力しながら、放射線治療、薬物療法、手術、骨修飾薬(ゾレドロン酸やデノスマブ)などによる治療を行います。転移性骨腫瘍による骨折や麻痺などを未然に防ぐことが治療の原則となりますが、骨折や麻痺の危険がある場合には骨折の内固定、人工関節、脊椎除圧固定術などの手術や放射線照射を行うこともあります。