No.003 筑紫 聡

【所属】愛知県がんセンター中央病院【出身校】三重大学(平成6年卒)【研修時期】平成6年度
筑紫 聡(image)

愛知県がんセンター中央病院筑紫 聡

整形外科医を目指した理由

私の祖父は近隣の方から愛される田舎の町医者でした。そんな祖父に憧れて地域医療に貢献する医師になろうと医学部に入学しました。そんな中、医学部の臨床実習で17歳の女の子を受け持つことになりました。病名は骨肉腫、思春期に多い疾患です。自分自身の17歳を振り返ってみると、遊び盛りで好奇心も旺盛でした。そんな大切な時期に病気を患い、楽しいことを我慢しながら命と向き合う姿を見て、「何とかして救いたい」と本気で思いました。苦しむ子供を懸命に救おうと努力されている整形外科の先生を見て、当初目指した地域医療とは真逆の領域ではありましたが、「こんな医師になってみたい」とその当時漠然とした夢を持ったのを覚えています。

研修医時代の体験・医局の雰囲気

研修医となりまず感じたことは、整形外科の先生方が病院中を走り回って忙しくされているにもかかわらず、「何だか楽しそうだなぁ」という印象です。何もできない研修医達に気軽に声を掛け、時には厳しく指導し、遊びにもよく誘っていただきました。この明るさと面倒見の良さは、その多くが体育会系だからかもしれません。自分自身も学生時代にサッカーをやっていましたが、医局にはサッカー部やラグビー部や野球部などの経験者が多くいます。指導すべき時にはビシッと、楽しむ時には子供のようにはしゃぐ。分かりやすい性格で人間的な魅力に溢れている人が多いと思います。近年はチーム医療の重要性を指摘されていますが、重要な要素はスポーツのチームと同じです。特に整形外科領域は誰か一人でも欠けたら正しい治療はできません。厳しさの中にもみんなが風通し良くディスカッションできる雰囲気は整形外科ならではです。最終的に整形外科医になることを決断した理由は、そんな居心地の良いチームに入りたいと思ったからです。入局後20年以上が経過した今でも、その楽しいチームの中にいることを毎日心から楽しんでいます。みんなでわいわい仕事をするのが好きな人にとって、整形外科は最も勧められる科だと言えます。

名大整形外科の魅力とは

名古屋大学整形外科には毎年20人以上の方が入局されます。これだけ多くの人数が入局する最大の理由は、技術に優れ面倒見のいい先生が各拠点病院で多く活躍されているからだと思います。私は初めて腫瘍整形外科を教えて下さった先生のことを今でも父親のように尊敬しています。手術計画や学会活動など毎日夜遅くまでみっちり指導していただきました。私自身ヘトヘトな毎日でしたが、その当時40歳代だった恩師も同じように多くの時間を私自身に費やしてくれていたのです。今その年代に自分がなり、その当時の指導に驚きと感謝を感じています。その熱意ある指導や考え方は今でも私の根幹となっています。名古屋大学整形外科の関連病院には、このような多くの信頼ある主従関係が存在し、このことこそが最大の魅力です。

私の今後の目標

私の今後の目標は、愛知県がんセンター整形外科を全国有数の骨軟部腫瘍の拠点病院にして、若い腫瘍整形外科医を指導する立場になることです。医学生の時に抱いた、「何とかして救いたい」という道は未だ踏破することは難しく、救うことのできない命はやはり存在し、その都度悩む毎日です。しかし自分自身で進むべき道を見出したという何ものにも代え難い喜びがあり、今後も努力を続けようという純粋な気持ちは全く変わりません。これから整形外科医を目指す若い先生には、将来なれるかなれないかは別にして、何か自らが決断した目標を持ってもらいたいです。最近は「自分に向いているかなぁ?」とか、「自分になれるかなぁ?」と思い悩む若い医師が多いように感じますが、目標を持ったらとりあえず行動に移してみてはどうでしょうか?人との繋がりを通じて自分の進む道は拓けるものです。最終的に目標を達成できなかったとしても、情熱をもって努力したことは今後の人生に活きると信じます。整形外科は外傷・脊椎・関節・手の外科・小児・腫瘍と選択できる専門領域の幅が広く、きっと自分に合った目標が見つかります。そして拠点病院を多く持ち、充実した研修制度を持つ名古屋大学整形外科は、自ら決断したその目標を叶えるのに最適な環境であると、自身の経験から自信を持って言えます。

後輩の皆さんへ

今後名古屋大学整形外科に情熱ある先生がより多く入局され、成長して活躍し、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。