腫瘍班

腫瘍班
Mission: 中部地区の肉腫(サルコーマ)を中心とした骨軟部腫瘍患者さんにとっての最後の砦としての誇りをもって診療にあたります。
世界に発信できる骨軟部腫瘍診療を展開します

サルコーマ(肉腫)である骨肉腫・Ewing肉腫・軟骨肉腫などの悪性骨腫瘍、横紋筋肉腫・脂肪肉腫・平滑筋肉腫などの悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)、骨巨細胞腫・類骨骨腫・軟骨芽細胞腫などの良性骨腫瘍・骨腫瘍類似疾患、デスモイド型線維腫症・色素性絨毛結節性滑膜炎・神経線維腫などの良性軟部腫瘍・軟部腫瘍類似疾患のすべてを適切に診療しています。

診療方針
骨軟部腫瘍および腫瘍類似の疾患すべてに関して、正確に診断し、適切で標準的な治療方針を決定し、患者さんの生命予後・機能的な予後を最善な状態にするように努めています。肉腫(サルコーマ)の診療を他科と連携して精力的に行っています。そのために、診療についての前向き・後ろ向き臨床研究を積極的に実施しています。肉腫(サルコーマ)を初めとする骨軟部腫瘍は稀な疾患の集まりですが、これらの研究成果を発信することで、個々の経験に頼る診療ではなく、広く世界に認められる診療を展開しています。
特徴的な治療
骨悪性腫瘍切除と再建手術 (加温処理):当院では70℃加温処理骨と血管柄付き骨移植の併用や、clavicula-prohumero(有茎鎖骨移植)など自家骨による生物学的再建を積極的に行っています。
デスモイド型線維腫症治療:腫瘍特異的な遺伝子変異を調べています。この遺伝子変異型と患者さんの特徴に基づいて治療法を提案しています。
O-armを用いた骨腫瘍切除:類骨骨腫などの骨腫瘍に対しては、術中画像装置O-armを用いた低侵襲手術を行っております。病変部を術中に3次元方向で確認することで、従来の透視ガイド下よりも正確かつ少ない切除範囲での骨腫瘍切除が可能となります。
NF1診療ネットワークによる多科による診療:神経線維腫症I型(NF1: レックリングハウゼン病)は、皮膚、神経を中心に多くの器官に神経線維腫をはじめとする様々な異常を生じる遺伝性の病気です。様々な臓器に症状が出現しますので各科で共同して治療にあたる必要があります。名古屋大学医学部附属病院では、小児科、脳外科、眼科、整形外科、遺伝カウンセリング部門などが協力してNF1診療ネットワークを形成し診療にあたっています。
研究概要
臨床:本学が中心となり希少疾患であるデスモイド腫瘍に対する全国共通の診断・治療ガイドラインの作成を行いました。全国における腫瘍発生・治療などの臨床実態の調査、CTNNB1変異の予後マーカーとしての有用性、低用量抗がん剤治療の有効性と安全性の評価などの前向き研究を行っています。
基礎:デスモイド腫瘍におけるCTNNB1解析。ヒアルロン酸制御による抗腫瘍効果。温熱刺激(hyperthermia)による骨形成などの研究を行っています。

リハビリテーション科 教授
西田佳弘 Yoshihiro Nishida

卒業年度
1988年
専門
骨軟部腫瘍診療
デスモイド型線維腫症の診療ガイドラインの構築
神経線維腫症I型患者の臨床ネットワークの構築
骨Paget病診療
整形外科疾患におけるヒアルロン酸の担う機能の研究
熱による新規骨形成法の確立

先端医療開発部 講師
浦川浩 Hiroshi Urakawa

卒業年度
1999年
専門
骨軟部腫瘍
臨床腫瘍学

講師
生田国大 Kunihiro Ikuta

卒業年度
2003年
専門
良性・悪性を問わず軟部腫瘍、骨腫瘍を診療します。
遺伝性であったり、小児・AYA世代に発生する骨軟部腫瘍も多く診療しています。
転移性骨腫瘍に対して集学的治療をおこなっています。

希少がんセンター 助教
酒井智久 Tomohisa Sakai

卒業年度
2008年
専門
骨軟部腫瘍
デスモイド型線維腫症
転移性骨腫瘍

医員
小池宏 Hiroshi Koike

卒業年度
2009年
専門
良性、悪性の骨・軟部腫瘍全般
新規腫瘍用人工関節Compress
骨盤部肉腫の手術治療
患者立脚型機能、QOL評価
骨・軟部腫瘍術後の感染対策
MRIによる骨・軟部腫瘍の悪性度評価
多発性外骨腫症などの小児良性骨腫瘍

医員
藤戸健雄 Takeo Fujito

大学院生
金子怜奈 Reina Kaneko

卒業年度
2017年
専門
骨・軟部腫瘍全般