関節リウマチ

関節リウマチ

関節リウマチ

関節リウマチは、関節の炎症(滑膜炎)を主体とする病気です。炎症を放置すると関節の骨や軟骨が徐々に破壊され、ひいては機能障害につながります。これに対して薬物治療と手術治療を行っています。

薬物治療は近年飛躍的に進歩し、関節破壊を抑制できるようになってきました。
メトトレキサートを中心とした内服治療に加えて、炎症の元となる物質(TNF、IL-6など)を強力に阻害することができる生物学的製剤(皮下注射または点滴で投与します)が使用可能です。これら薬物治療の反応性(効果があるかどうか)は、発症後早期であればあるほど良好なため、「手のゆび・足のゆびの関節がはれている、押さえると痛い」など、関節リウマチが疑わしい症状があれば、早めにリウマチ専門医を受診しましょう。

当院では、診断および治療効果の判定に超音波検査を導入しています。手術治療は人工関節置換術(股関節、膝関節、肘関節、足関節)を中心に、足の関節障害に対する手術の最適化を目指して、関節温存手術を積極的に取り入れています。

Q1 どんな病気ですか?
A1 免疫(からだに入ってくる細菌やウイルスなどの外敵を攻撃するしくみ)の異常により、主に手足の関節が腫れて痛む病気です。治療せずに放置すると、骨や軟骨が壊れて関節が変形し、日常生活に支障をきたします。関節の破壊は、発症後の早い時期(約2年間)に急速に進行するため、早期に関節リウマチを診断し、適切な治療を行うことが大切です。
Q2 遺伝しますか?
A2 関節リウマチの原因は、まだはっきりとはわかっていません。もともとの体質(遺伝的要因)と、何らかのきっかけ(環境的要因)が重なって、免疫の異常が起きるものと考えられています。遺伝的要因として、関節リウマチにかかりやすい体質が親子間で引き継がれると考えられていますが、一般にそれほど強い遺伝性はありません。環境的要因としては、喫煙、感染症やけが、ストレス、出産などが挙げられています。
Q3 治りますか?
A3 関節リウマチは治る(薬が必要なくなり、病気が再燃することがない)病気ではありませんが、関節痛などの症状が落ち着いて、病気の進行が止まっている状態(寛解)にすることは可能です。関節リウマチの治療目標は、寛解に到達し、維持することです。以前は、寛解に至る患者さんはごく一部でしたが、最近は早期からメトトレキサートをはじめとする抗リウマチ薬や、必要に応じて生物学的製剤を投与するようになり、半数近くの患者さんが寛解に到達し、関節破壊の進行も抑えられるようになっています。また、関節が変形して、機能障害をきたした場合でも、人工関節置換術をはじめとする手術で、痛みを取り除き、機能回復を図ることができます。