9月29日、名古屋整形外科セミナーを開催しました。
講師には高知大学医学部 整形外科 教授 池内 昌彦先生をお招きし、「変形性膝関節症 update2022」を講演頂きました。
沢山の参加者の方にご参加頂き誠にありがとうございました。
サルコペニアと大腿四頭筋
名古屋大学医学部 整形外科 水野 隆文
サルコペニアでは筋量、筋力、身体機能が注目を集めてきたが、近年は筋質にも注目が集まっている。筋質を評価するために、CT、エコー、体組成計を用いた研究を進めている。例えば大腿四頭筋のCT値は筋量と独立して、筋力や身体機能と関連することが判明している。Phase angleも医療用体組成計では計測されている値であるが、サルコペニア・筋力などとの深い関連性が報告されており注目される指標であり研究を進めていく必要がある。
変形性膝関節症 update2022
高知大学医学部 整形外科 教授 池内 昌彦先生
変形性膝関節症の疼痛の原因の一つとして神経成長因子(NGF)が関与しており、軟骨下骨にNGFの発現が多い場合は痛みが強くなる。過去にNGF阻害剤の治験が行われたものの中止となったが、近年はその見直しも進んでいる。変形性膝関節症の疼痛は侵害受容性疼痛と痛覚変調性疼痛が主であり、疼痛が強ければ人工膝関節置換術(TKA)が選択される。しかし、TKA術後の遷延性疼痛は約20%に見られ、患者満足度を低下させる要因となる。特に術後は神経障害性疼痛の割合が増えることが判明しており、対策が必要となるだろう。