2025年2月27日(木)に名古屋整形外科セミナーを開催しました。
一般講演
『骨軟部感染症治療update CLAPのevidenceとexperience』
愛知医科大学 整形外科 講師 藤原祐樹先生
CLAPは骨軟部感染症に対して有用な治療法であるが、臨床研究の難しさがゆえにevidenceが不十分であるという問題点をご指摘いただきました。またご自身のCLAP症例100例の解析から、有効性と安全性(特に高齢者では抗菌薬による急性腎障害に注意)をお示しいただきました。
特別講演
『第1部:疼痛発生からみた脆弱性骨盤骨折の診断と治療
第2部:東京における大学病院での外傷センター設立と現状』
帝京大学医学部整形外科学講座/帝京大学医学部附属病院外傷センター 教授 鈴木卓先生
脆弱性骨盤骨折の診断と治療について、豊富な症例とともに分かりやすく解説していただきました。鼡径部痛や下肢の疼痛、しびれを訴える高齢者では、必要に応じてCTやMRI検査を行い、腰椎、股関節だけではなく骨盤も評価することが大切です。脆弱性骨盤骨折に対してはまず保存的治療を行い、1~2週間の床上安静でも症状が強い場合は再度画像評価を行い手術も検討します。また、帝京大学外傷センターの立ち上げから日本有数の施設になるまでのご苦労と現状についてご紹介いただきました。
整形外科だけではなく救急科からも沢山の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
末筆ではございますが、名古屋大学の卒業生である鈴木先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。