愛知県肢体不自由児協会へのご支援のお願い

名整会会員各位

     愛知県肢体不自由児協会へのご支援のお願い    

                愛知県肢体不自由児協会 会長 𠮷橋 裕治
             (愛知県三河青い鳥医療療育センター顧問 昭和52年卒)

 拝啓 晩秋の候、先生におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、1942年に東京大学名誉教授(整形外科学)高木憲次先生によって設立された日本肢体不自由児協会が、1953年より開始した「手足の不自由な子どもを育てる運動」も今年で71回目を迎えました。これは、毎年秋のこの運動期間の間に集められた寄付金を元に、手足の不自由なお子さんたちに様々な支援を行うとともに、幅広い方々に療育思想の普及を図ることを目的として始められたものです。

 他の自治体同様、愛知県でもこれに呼応する形で1957年に愛知県肢体不自由児協会を設立し、県庁内に事務局を置いて県知事が会長を務めることとし、以後この運動を共催してきました。その後、2000年に事務局が当時の愛知県青い鳥医療福祉センター(現在の愛知県青い鳥医療療育センター)に移管され、民間の任意団体として運営されてきましたが、近年この運動による寄付金が減少を続けており、これまでどおりの事業を続けることが困難となってきたのです。さらには当協会自体の存続が危ぶまれる事態ともなってきたため、令和2年10月に開かれた名整会幹事会に諮り、以後毎年、名整会会員の皆様に寄付金を募ることを認めていただいた次第です。

 肢体不自由児医学・療育が、我が国における整形外科学の源流であることから、歴史ある整形外科学教室の多くがそうであるように名古屋大学医学部整形外科学教室も肢体不自由児を支援する活動と深く関わってきました。日本肢体不自由児協会の発足当時には、初代教授の名倉重雄先生が同協会の評議員としてご尽力されています。愛知県肢体不自由児協会が、設立翌年から発行を始めた年刊誌である家庭療育指導誌「あゆみ」には教室を支えられた数多くの先生方が寄稿されており、医局と協会には深い関係があったことが推察されます。また、2000年に民間人としてはじめて当協会の会長を務められたのは村地俊二先生(昭和20年卒:元愛知県心身障害者コロニー総長)でした。2010年から会長となられたのは沖高司先生(昭和42年卒:元愛知県心身障害者コロニー中央病院院長)でしたが、お二人とも名整会の会長も務めておられます。

 愛知県肢体不自由児協会の詳細につきましては、名整会会誌Vol.44(2021)に寄稿させていただきましたが、近年行ってきた事業は以下のようです。
1)模範肢体不自由児(重症心身障がい児を含む)の表彰:毎年10名程度を対象として、表彰式を開催し、額縁付き表彰状と記念品として3000円分の図書券を贈呈
2)肢体不自由高校生(重症心身障がい児を含む)への奨学金の支給:対象10名に各3万円
3)各種障がい児・者団体等(愛知県肢体不自由児・者父母の会連合会、愛知県重症心身障害児・者を守る会、愛知県筋ジストロフィー協会、日本二分脊椎症協会東海支部、愛知県心理療育親の会)の野外療育活動に対する助成:父母の会連合会に10万円、それ以外は3万円
4)旧肢体不自由児施設の同窓会に対する補助金の交付:各3万円
5)愛知県肢体不自由児・者父母の会連合会の開催する「わいわいカーニバル」への補助金:5万円
6)愛知県心身障がい児(者)福祉大会に対する補助金:5万円
7)障がいのあるこどもたちの家庭療育指導誌「あゆみ」の刊行:2,500冊を無料配布

協会の歳入のほぼすべては「手足の不自由な子どもを育てる運動」による寄付金で、名古屋市を含む県内の小中学校、特別支援学校、県庁、県警、名古屋市、国機関、社会福祉関連団体等を通じてご協力いただいていますが、任意団体であるため、「薄く、広く」という形にならざるを得ません。このなかでも寄付金総額の大半は学校関係であるため、その減少については少子化の影響を否定出来ず、我が国における社会構造の変化も関係していると考えられます。これを補うため、近年では松本義肢や東名ブレース、アルテックブレース、愛北義肢製作所、戸田義肢製作所等といった義肢・装具製作会社にもご支援いただいています。

 この20年間の推移をみると明らかに寄付金総額は減少してきており、特に昨年度はもともとの協力対象機関(学校等)で全体的に減少したことから、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した今後も続く物価高による影響ではないかと大変危惧しています。名整会の会員の皆様からのご寄付も、令和2年には99名の会員の方から58,2000円、令和3年には106名の方から57,5000円のご支援をいただくことが出来ましたが、昨年度は54名の方から34,7000円と大きく減少致しました。昨年度と同様の歳入歳出決算が続けば、単純に計算した場合、皮肉なことに名古屋大学整形外科学教室創設100周年の記念すべき年の前後に当協会は消滅することになります。

 この数年来、歳出の削減も進めてきましたが、もともと事業の質・量とも小規模であるため、まさに雀の涙ほどの効果に過ぎません。やはり寄付金の確保しか生きる道はないように思われます。当協会は、時代の流れのなかで消え行く団体となるのでしょうか。しかし、例年模範肢体不自由児に選ばれて表彰されるお子さん達の誇らしげで、喜ぶ表情を思い出しますと、なくなって良い団体、事業ではないと考えます。また、家庭療育指導誌「あゆみ」は、障がいのあるお子さんやそのご家族にとどまらず、療育関係者にとっても最新の情報源となっています。

 名整会の皆様のお力で、こうした当協会の窮状をお救いいただけないでしょうか。

出来ましたら、当協会への2,000円のご寄付(それ以上でも結構ですが)をお願い出来ればと考えております。なお、このお願いについては期限は特に設けておらず、今年度中であれば構いませんので、よろしくお願い申し上げます。なお、これまではゆうちょ銀行の当協会の口座への「払込取扱票」を、名整会総会関連資料とともに趣意書と合わせてお送りいただいて参りましたが、今回からそうした方法が取れなくなりましたので、以下の二つの方法のいずれかで払い込みいただければ幸いに存じます。

1)最寄りの郵便局にて、ゆうちょ銀行の以下の口座記号、口座番号の加入者(当協会)へ払い込みいただく。
口座記号 00860—5  口座番号 22524(右詰め記入)
加入者名 愛知県肢体不自由児協会

2)愛知県肢体不自由児協会に、お名前とお届け先の住所(郵便番号)をご連絡いただけば、上記(口座記号等)を印刷した払込取扱票をお送り(郵送)致しますので、これまで同様にそれを使用して、最寄りの郵便局にて払い込みいただく。
 連絡先 メールアドレス  aoitori@bk9.so-net.ne.jp
FAX 052-501-4085
郵送 〒452-0822 名古屋市西区中小田井5丁目89番地

なお、愛知県肢体不自由児協会独自の連絡先はなく、これらはすべて愛知県青い鳥医療療育センターのものです。郵送の場合には、愛知県青い鳥医療療育センター内 愛知県肢体不自由児協会事務局としていただければと存じます。出来ればメールか、FAXでご連絡いただければ幸いです。

 最後に、ご参考になればと思い、現在はその対象や方法、さらには考え方が多様化しております「療育」について、もともと高木憲次先生(二代目東京大学医学部整形外科教授)が提唱されたその定義と理念を添えさせていただきます。

療育の定義
「療育とは、現代の科學を總動員して肢体の不自由を出來る丈け克服し、それによって幸いにも恢復したる恢復能力と残存する能力と代償能力の三者の總和であるところの復活能力を出來丈け有効に活用させ、以て自活の途の立つように育成することである。」整肢療護園開園式式辞より 1942年5月5日 

療育の理念
「たとえ肢体に不自由なところあるも、次の社会を担って我邦の将来を決しなければならない児童達に、くもりのない魂と希望をもたせ、その天稟をのばさせなければならない。それには児童を一人格として尊重しながら、先ず不自由な個処の克服につとめ、その個性と能力とに応じて育成し、以って彼等が将来自主的に社会の一員としての責任を果たすことが出来るように、吾人は全力を傾盡しなければならない。」「療育の碑」1964年10月建立

 末筆となりますが、先生の今後の益々のご発展、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。 敬具