12月20日 整形外科・内科Collaboration Seminar

2024年12月20日、整形外科・内科Collaboration Seminarを開催しました。

まず、名城病院 名古屋掖済会病院 整形外科 部長 太田英之先生から、講演「橈骨遠位端骨折から高齢者社会を考える」がありました。
橈骨遠位端骨折は強固な内固定を行い、早期社会復帰を目指す。橈骨遠井端骨折はセンチネル・フラクチャー(お知らせ骨折)で、骨折リスクが高まっていることに注目しなければならない。高齢者の増加だけでなく、高齢者の社会的背景の多様化があり、それに合わせた治療を行うことが重要である。

特別講演講師に山口大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 高見太郎先生をお招きし、ご講演「薬剤起因性消化管出血の現状と対策 ~整形外科との連携~」を賜りました。
胃潰瘍は粘膜下層や筋層からの出血。ピロリ菌感染やNSAIDsが原因となる。PPIは壁細胞のプロトンポンプを阻害するが、酸性環境ではたらく。ボノプラザンは液性に関係せず阻害し、持続時間が長い。ピロリ菌感染は減少しているが、NSAIDs使用は短期間でも消化管出血のリスクがあり注意が必要。また、ピロリ菌除菌は胃酸分泌が活性化するという側面もあり、高齢化と相まって逆流性食道炎を増加する可能性がある。いずれも予防のためには胃内pH 4以上を保つ必要がある。難治の逆流性食道炎に対し内視鏡的治療も行われる。

多数の先生方にご参加いただきましたことに深謝申し上げます。