2020年12月10日、名古屋大学整形外科合同カンファレンスがWebで開催されました。若手整形外科医による4例の症例提示と中津川市民病院の講演がありました。(文責:水野 隆史、川島 至)
日時:2020年12月10日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 平岩 秀樹 先生
症例提示
症例1 甲状腺濾胞癌術後に大腿四頭筋内転移巣に未分化転化を認めた一例
名古屋第二赤十字病院 長谷川 寛太 先生
軟部腫瘍の中でもまれな骨格筋への転移性腫瘍を経験した。原発は甲状腺癌だったが画像検査にて腫瘍性病変を認めず,組織生検にて診断が得られた。
症例2 腕相撲による肘頭骨折の一例
一宮市立市民病院 小牧 健太郎 先生
腕相撲で受傷した右肘頭骨折に対し、tension band wiringによる骨接合術を施行し術後経過良好であった。正確な受傷機序は不明だが、腕相撲によって生じる肘関節への軸圧・回旋・外反力・上腕三頭筋の収縮が複合的に働いたことによるものと推察した。
症例3 大腿骨頚部骨折に対し中空海綿骨螺子で骨接合後に螺子が骨盤腔内へ突出陥入した一例
東海中央病院 松浦 唯 先生
右大腿骨頚部骨折に対して中空海綿骨螺子CCS2本を用いた骨接合術を他院で施行後に螺子の骨盤腔内への突出陥入をみとめた症例を経験した。全身麻酔下で螺子を抜去した後に2期的に人工股関節置換術を行い良好な経過を得た。
症例4 腎細胞癌の単発骨盤骨転移に対しInternal Hemipelvectomyを施行した一例
名古屋大学 杉浦 喬也 先生
腎細胞癌の単発骨盤骨転移に対し術前に腫瘍栄養動脈に対するembolizationを行い、術中ナビゲーションを用いてInternal Hemipelvectomyを施行した一例を経験した。腎癌の骨転移は外科的介入が考慮されるべきとされ、特に単発骨転移に対しては生命予後の改善も期待される。
演題 中津川市民病院DMAT活動
中津川市民病院 丸山 浩司 先生
中津川市民病院は岐阜県下で2番目に指定されDMAT活動をしている。DMAT活動は災害急性期48時間に行い、活動は自己完結で、食料、燃料、自家発電、毛布、現金など持参する。東日本大震災、御嶽山噴火、熊本地震や千曲川氾濫時に行ったDMAT活動を紹介された。