2021年12月16日、名古屋大学整形外科合同カンファレンスがWebで開催されました。若手整形外科医による3例の症例提示とあさひ病院から2題の講演がありました。
日時:2021年12月16日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 山本美知郎 先生
症例1 非骨化性線維腫(NOF)による病的骨折の一例
名古屋記念病院 長田 直大 先生
NOFによる病的骨折に対し、掻把・人工骨移植とプレート固定を行った。NOFは骨折型により保存治療も選択されるが、本症例は大きな転位を有するNOFの病的骨折であり、術中迅速診断、掻把・人工骨移植、プレート固定を行うことで良好な骨癒合を得られた。
症例2 化膿性汗腺炎の2例
半田市立半田病院 森浦 哲平 先生
臀部に瘻孔が多発し排膿を認め、部位や皮膚所見より化膿性汗腺炎と診断し外科的切除、術後局所陰圧療法、植皮にて完治した。左大腿骨頸部骨折に合併した化膿性汗腺炎も経験し、骨折に対しては人工骨頭挿入術を行いいづれの経過も良好であった。
症例3 閉鎖性大腿骨骨折に大腿動脈解離を合併した一例
大同病院 嵯峨 咲 先生
飛び降りにより多発外傷受傷し、同日緊急手術で創外固定を施行した。帰室後に時間経過してから大腿動脈解離が発覚した。解離部にステント留置を行い血流は再開したが、血流再開後にコンパートメント症候群を合併した。複数回手術により創部は閉鎖した。
演題1 高位脛骨骨切り術 OWDTOかHCHTOか ー自験例から、トラブル回避のためにー
あさひ病院 山本 隆一郎 先生
変形性膝関節症に対する骨切り術については、軽度~中等度内反膝に対してはOWDTO(開大型粗面骨切り術)、中等度内反膝に対してはHCHTO(ハイブリッド閉鎖式高位脛骨骨切り術)があり、OWDTOとHCHTOは適応が重複している。第1選択はOWDTOではあるが、HCHTOの適応について説明された。
演題2 運動器疾患に対する体外衝撃波療法の有用性
あさひ病院 岩堀 祐介 先生
体外衝撃波療法(ESWT)の治療効果としては、除痛、組織修復再生、筋緊張の緩和、関節拘縮、可動域改善がある。外側上顆炎、上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎、ばね指、石灰沈着性腱炎、感染性偽関節など様々な疾患に対して使用されており効果的である。スポーツ選手がオンシーズン中にプレーを行いながら治療を併用できることがメリットとして挙げられる。