2023年8月29日、鶴舞整形外科エキスパートセミナーを開催しました。
同門の富田浩之先生から講演「脊椎手術支援ロボットMazorX(R)の使用経験」がありました。
脊椎手術の画像支援器機は、術前画像から術中画像を用いたナビゲーションシステムへ進化し、ロボットはその次の第5世代と呼ばれる。日本では3機種が使用可能。特有の問題点はskiving、ボーンマウントの問題などに注意が必要。ドリルの改良などによって精度は向上。特徴と優位性を理解し、脊椎手術治療の質的向上に努める。
講師には岩手医科大学医学部 整形外科学講座 教授 土井田稔先生をお招きし、ご講演「病態から考える腰部脊柱管狭窄症の治療戦略-薬物療法から手術まで-」を賜りました。
腰部脊柱管狭窄症は有病率約10%のcommon diseaseである。間欠性跛行の客観的評価のため加速度センサーによる歩行解析:術後、歩行による体幹のブレは減少し、JOAスコア改善率やODIとの相関がある。なぜ黄色靱帯は肥厚するのか?:動物実験でもメカニカルストレスの関与あり。肥厚した黄色靱帯には炎症細胞も認められ、TGF-βやコラーゲン産生増加が関連している可能性。薬物療法:腰部脊柱管狭窄症、慢性疼痛についてガイドラインが発刊されており、エビデンスを参考に様々の治療を検討する。手術療法:除圧と固定。低侵襲手術はガイドラインでも比較的推奨されている。除圧か固定かの議論は、病態を考慮して適応決定するのがよい。長範囲固定ではアライメント評価も重要。
現地、Webともに沢山の参加者の方にご参加いただき誠にありがとうございました。