2023年8月31日 疼痛セミナーNagoyaを開催しました

2023年8月31日、疼痛セミナーNagoyaを開催しました。

同門の中島宏彰先生から講演「脊椎脊髄由来の痛みとその対策」がありました。
形態と痛み:画像所見と痛み症状は一致しないことも多い。痛みの評価に見た目は影響するのか? 相手の性質によって、痛みの共感が起こるかどうかは影響を受ける。胸椎靱帯骨化症の痛みの改善:術後の痛みやしびれに関する研究は少ない。治療満足度と最も相関するのは治療後の痛みやしびれであった。薬物治療の表と裏:ガイドラインをみると、例えばガバペンチンに対する評価は日本とフランスでは異なる。神経障害性疼痛に対する治療は発展途上である。

講師には浜松医科大学 整形外科学講座 教授 松山幸弘先生をお招きし、ご講演「整形外科における慢性疼痛を再考する」を賜りました。
慢性疼痛は主に運動器の痛みが多く、最多は腰痛である。必ずしも多くが整形外科を受診するわけではないことに注意が必要。また、脊椎脊髄領域における神経障害性疼痛の有病率は53.3%で、頚椎(頚椎症性神経根症)が最多だった。疼痛の分類からみた主な治療薬では、急性疼痛はNSAIDsがよい。急性期以降は症状、時間軸などを検討する。オピオイドは便秘などの頑固な副作用があり、時間経過後にもNSAIDsの利点がある。慢性疼痛では抑制系の作用が減弱する中枢性感作に注意。一般住民ではCSI 40点以上は1.6%であったが、総合病院初診の慢性疼痛患者では13%と大きく異なっていた。また、慢性疼痛は治療ゴールの設定が重要。痛みをゼロにすることをゴールにせず、患者と一緒に治療ゴールを探す。

現地、Webともに沢山の参加者の方にご参加いただき誠にありがとうございました。