2023年11月2日 第31回鶴舞脊椎脊髄カンファレンスを開催しました

2023年11月2日に第31回鶴舞脊椎脊髄カンファレンスを開催しました。

安城更生病院脊椎脊髄外科センター長 新城龍一先生、名古屋大学整形外科 中島宏彰先生の司会にてディベート形式による討論を行いました。
ディベーター 刈谷豊田総合病院整形外科 両角正義先生から、60代男性、胸椎黄色靱帯骨化症の症例提示がありました。除圧術か、除圧固定術か。除圧は再増大の危険性がある。除圧において黄色靱帯の全摘出できるかどうかが議論されました。ディベーター 江南厚生病院整形外科 森下和明先生から、40代男性、胸椎後縦靱帯骨化症および黄色靱帯骨化症の症例提示がありました。原因高位の特定、固定範囲の選択をどうするかなど議論されました。

東京医科歯科大学整形外科 教授 吉井俊貴先生から特別講演「髄膜異常を伴う脳表ヘモジデリン沈着症の診断と治療 -謎の病態に迫る-」を頂戴しました。
くも膜下腔への反復的な出血によるヘモジデリンの脳や脊髄表面への沈着が原因で、難聴が初発症状のことが多い。特発性が35%ある。硬膜腹側に髄液貯留を認める。MRI T2*の所見が特徴的。保存治療ではキレート治療が症状停止に比較的有効。硬膜欠損に対しては手術的に閉鎖術。瘻孔高位の同定が重要で、MRI balanced sequence法が有用。C7/T1~T3/4が多い。近年4D CTを応用。手術では偽腔に筋肉片を詰め、最小の針(5mm)の7-0ナイロンで縫合。進行例では改善は望めないため、早期発見早期介入が重要である。脊髄ヘルニアとの差異や、どこから出血するのか、瘻孔部は二重硬膜なのか、瘻孔の発生原因は何か、などまだ謎は多い。

現地、Webともに沢山の方にご参加いただき誠にありがとうございました。