2023年11月7日 Nagoya Orthopaedics Expert Seminarを開催しました

2023年11月7日、Nagoya Orthopaedics Expert Seminarを開催しました。

同門の中部労災病院整形外科 部長 松本智宏先生から講演「頚椎頚髄損傷・総論」がありました。
近年日本の脊椎脊髄損傷は高齢者の軽度の外傷による不全麻痺が増加。不安定性があれば手術適応となる。中下位頚椎損傷ではSLICで手術適応の判断が可能。Allen分類は脱臼骨折、破裂骨折タイプに分けて考えるとわかりやすい。他には強直脊椎の骨折がある。CTアンギオでは後交通動脈欠損がないか確認する。脊損の手術治療は様々な知識とテクニックを駆使してリハビリテーションを早期に開始することが目標である。

講師には昭和大学医学部整形外科学講座 主任教授 工藤理史先生をお招きし、ご講演「加齢に伴う「首」の病気 ~神経障害性疼痛の関与~」を賜りました。
加齢に伴う「首?」の病気、首下がり。パーキンソン病、重症筋無力症、その他様々な疾患に合併することもあり、関連科での精査が必要。下位頚椎の変性と上位頚椎の多椎間辷りを認め、高齢者の首下がりは変性の終末像である可能性がある。首下がり症患者の立位バランスは、腰椎での代償などで維持される。保存治療では装具(クラビクルバンド、カラー)、リハビリテーション、投薬など。発症後3~6か月は自然回復する可能性がある。手術治療は発症後1年以上経過し、症状の改善がない患者さんが目安になる。前→後方の前後合併手術の適応。しかし頚椎の矯正固定ですべて治すことができるわけではない。全脊椎アライメントを考慮した首下がりの治療についての報告はほとんどなかったが、首下がり症患者の矢状面バランスは一様ではない。腰曲がりの治療によって首下がりが改善する症例もある。

現地、Webともに沢山の参加者の方にご参加いただき誠にありがとうございました。