2024年5月 合同カンファレンス報告

2024年5月16日(木)、合同カンファレンスをweb開催しました。

合同カンファレンス記録 (文責:藤井整、杉本遼介)
日時:2024年5月16日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 今釜史郎 先生

症例1 長腓骨筋腱が骨折部に陥入した立方骨骨折の一例

トヨタ記念病院 佐藤悠 先生

症例は44歳男性。バスケットボールプレイ後から徐々に右足背外側に腫脹を伴う疼痛が出現したため当院を受診した。右足立方骨に圧痛があり、右足関節の内返しにて疼痛が誘発された。

症例2 小児上腕骨内側上顆骨折に対する保存療法と手術療法の検討

中東遠総合医療センター 宮地巧 先生

小児上腕骨内側上顆骨折の治療法については 手術適応も含めて議論は尽きない。Watson-Jonens(WJ)分類typeⅢや開放創を伴う症例は手術療法の絶対適応とされているが、WJ分類typeⅠ、Ⅱ、Ⅳに対して保存療法か手術療法かの基準はないのが現状である。

症例3 運搬作業を契機に発症した急性腎障害を伴う急性傍脊柱筋コンパートメント症候群の1例

一宮市立市民病院 伊藤史宙 先生

症例は34歳男性.特記すべき基礎疾患なし。仕事で約20kgの荷物を大量に約6時間にわたり運搬した。就労中より腰痛を自覚し,夜間にかけて疼痛が増悪し、翌朝から体動困難となり当院へ搬送された。

症例4 大腿骨転子部骨折治癒後に骨頭下骨折を来した一例

稲沢市民病院 則竹洋和 先生

症例は84歳女性。転倒して右股関節痛を発症。既往歴に脳梗塞(右半身不全麻痺)、狭心症(PCI後)、深部静脈血栓症、骨折手術歴が多数あった(両側大腿骨転子部骨折、左上腕近骨位端骨折、左橈骨遠位端骨折)。

講演1 豊橋市民病院の紹介

豊橋市民病院 竹本元大 先生

豊橋市民病院は800床からなる病院で東三河の救急救命の基幹病院である。車通勤は名古屋大学病院から1時間15分、交通機関を使用しても1時間30分と、名古屋市内からは通勤圏内である。整形外科医は15人と比較的大人数であり、脊椎、人工関節などの専門症例はもちろん、骨盤骨折や四肢重度外傷も含めて多くの手術を行っている。後期研修の指導体制も充実しており、医局の関連病院として今後も若手の教育を担っていきたい。

講演2 当院におけるSAPHO症候群の診療状況について

豊橋市民病院 斎藤雄馬 先生

SAPHO症候群は1981年に報告された。その後1987年に85症例がまとめられ、SAPHO症候群の概念が広まった。当院における2008年からのSAPHO症候群36例について報告する。

講演3 当院における高齢頚髄損傷患者の生命予後

豊橋市民病院 井上太郎 先生

脊髄損傷の患者は世界的に高齢化しており、高齢者の頚髄損傷は重要な疾患である。2012-2023年における当院の重度麻痺(Frankel A,B)を伴う頚髄損傷で65歳以上の高齢者の転機を調査した。