2024年6月11日、名古屋整形外科セミナーを開催しました。
まず、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 整形外科 竹市陽介先生から、講演「骨粗鬆症性椎体骨折と腰痛」がありました。
椎体骨折は入院安静の方針で治療し、比較的不安定性が予想される場合は安静期間を少し伸ばすなどの工夫を行っている。この方針の下では、椎体骨折の保存治療は受傷後早期の安静入院が望ましい。
講師に滋賀医科大学 整形外科学講座 准教授 森幹士先生をお招きし、ご講演「脊椎疾患の診断と治療のピットフォールと神経障害性疼痛」を賜りました。
日常診療では、知らないと診断にたどり着けない症例は少なくない。Subperiosteal typeの類骨骨腫は骨表面にでき、画像所見が典型的ではない。また、外傷を契機に有症状性となることがあり、先行する外傷の影響などと診断されていることがあるので注意を要する。15か月以上では側弯が戻りにくいとされる。石灰沈着性頚長筋炎は、石灰化を伴う強い痛み。またパンコースト腫瘍の見逃しに注意。靱帯骨化症は、多数の高位にまたがることがある。靱帯骨化症に限らず、術後遺残疼痛は大きな課題である。
多数の先生方にご参加いただきましたことに深謝申し上げます。