2024年9月12日(木)、合同カンファレンスをweb開催しました。
合同カンファレンス記録 (文責:清水景太、斎藤雄馬)
日時:2024年9月12日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 竹上靖彦 先生
症例1 ポビドンヨードによる接触性皮膚炎を併発し治療に難渋した化膿性手関節炎の一例
安城更生病院 新谷理子 先生
症例は55歳女性。特記すべきアレルギー歴はない。2日前からの発熱と増強する右手関節痛を主訴に当院夜間救急を受診した。
症例2 当院でのCLAP使用経験
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 山本雄介 先生
CLAPは感染巣に抗菌薬を直接投与し持続灌流することで感染制御を狙う手法である。抗菌薬の血中移行を最小限にとどめ必要濃度の抗菌薬を感染巣に誘導可能で、徹底的なデブリードマンをせずとも十分な期間抗菌薬を灌流し効果を発揮する。
症例3 体外への骨頭骨片の脱出を認めた第5中手骨開放骨折の一例
安城更生病院 牧野倫子 先生
症例は49歳女性。特記すべき既往歴は認めない。仕事中にプレス機に挟まれて左手を背側から掌側に機械の一部が貫通した。当院搬送時の身体所見は左手掌尺側に一部皮膚欠損を伴う挫創と、創部以遠での小指尺側の感覚障害を認めた。
症例4 手術加療を要した坐骨結節裂離骨折の一例
名古屋大学附属病院 榛原梓園 先生
小児の骨盤骨端線損傷のうち坐骨結節裂離骨折は稀であり、手術療法の報告は少ない。今回14歳男児の坐骨結節裂離骨折に対して早期手術加療を行い、良好な整復と強固な内固定を得られた症例を経験したので報告する。
講演1 当院における大腿骨近位部骨折FLSの現状・課題と患者像について
津島市民病院 伊藤孝紀 先生
津島市は人口6万人弱、352床の2次救急を担っており、通常は整形外科医4人体制だが現在は5名の整形外科医の体制となっている。コロナ後は手術件数も伸び2023年は年間544例、そのうち大腿骨近位部骨折の骨接合は117例、人工骨頭は56例行った。2022年4月に2次骨折予防継続管理料が新設されたがその時点ではまだFLSの取り組みはしておらず、同年11月に院内チームが発足し、電子カルテ内にシステム構築し、連携病院への訪問などを行うことで環境を整え、2023年3月から管理料1算定を開始した。
講演2 医療機器開発イロハのイ
津島市民病院 中川泰伸 先生
日本医療研究開発機構(AMED)での勤務経験などから医療機器開発のおおまかな流れや基礎知識につき概説する。医薬品開発は基礎研究が基になるのでアカデミアが主要な役割を担う。一方で医療機器開発は、臨床的位置づけを基にして開発を行う。臨床的位置づけは開発者が定義するものであり、アカデミアや臨床医にも医療機器開発への一定の知識を必要とする。