2024年11月20日(水)、名古屋整形外科セミナーを開催しました。
まず、静岡厚生病院 整形外科部長 天野貴文先生から、講演「流行りでステムを選んでいませんか?-消えゆくステムに思いをはせて-」を承りました。人工股関節置換術におけるステムの近年のトレンドを世界のレジストリーデータからご講演頂きました。近年の傾向としてはTaper wedge、Full HA型ステムが世界的に人気でなっている一方で2000年初期に主流であったFit&FillやZweymüller型ステムは長期成績が良好にも関わらず、ほとんど現在は使用されなくなっています。その背景にはショートステム使用よる骨温存や手術アプローチによる影響が強いと考えられ、とても興味深いご講演を頂きました。
特別講演講師に北里大学整形外科学 医学教育研究開発センター 内山勝文教授をお招きし、ご講演「難治性人工関節手術に伴う合併症治療-神経障害性疼痛や感染を中心に-」を賜りました。人工股関節置換術後の感染は近年増加傾向にあり、多くの股関節外科医が感染治療に日々悩みながら治療を行っております。本講演では北里大学整形外科で行われている感染手術の一連の流れ、セメントモールド作成時の工夫など感染治療における多くのピットフォールをご教授頂きました。また近年話題となっているContinuous local antibiotics perfusion(CLAP)を内山先生はいち早く感染治療に取り入れて行っており、これまでの豊富な経験をご紹介いただきました。名古屋大学整形外科でも本年よりCLAPを使用した感染治療を行っており、本講演内容を今後の診療に行かせていけたらと考えます。
多数の先生方にご参加いただきましたことに深謝申し上げます。