2024年12月 合同カンファレンス報告

2024年12月19日(木)、合同カンファレンスをweb開催しました。

合同カンファレンス記録 (文責:山本浩登、岡田裕也)
日時:2024年12月19日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 浅井秀司 先生

症例1 TKA周囲骨折に対してnail plate combinationで固定を行った1例

岐阜県立多治見病院 服部修人 先生

症例は83歳女性、既往歴は関節リウマチ、両側TKA、受傷前のADLは施設入所中、歩行器歩行。転倒し左膝関節痛を認めた。Xp、CT検査の結果、TKA直上に骨折を認め、TKA周囲骨折Leiws-Rorabeck分類Type2、Su分類Type2と診断した。

症例2 骨盤輪骨折AO/OTA分類61B2とB3の診断に難渋した一例

名古屋医療センター 杉山珠里 先生

73歳男性。深夜に道路に倒れているところを発見され、転落または墜落外傷疑いで救急搬送された。当院初診時の身体所見では臀部・恥骨部の疼痛をみとめた。

症例3 転移性髄内腫瘍に対して免疫チェックポイント阻害薬が奏功した1例

名古屋大学医学部附属病院 藤井論 先生

転移性髄内腫瘍は稀な疾患であり、診断後は症状進行や予後不良が懸念される。今回、転移性髄内腫瘍摘出術後に免疫チェックポイント阻害薬による化学療法を施行し、経過が良好であった症例を経験した。

症例4 陳旧性/脆弱性アキレス腱断裂に対する Midsubstance Speedbridging法の使用経験

中津川市民病院 矢野心平 先生

Arthlex社のPARS(Percutaneous Achilles Repair System) は半経皮的にアキレス腱実質の健常部に人工靭帯をロッキングするデバイスである. 陳旧性/脆弱性アキレス腱断裂を認めた5症例に対し, PARSの人工靭帯を踵骨付着部にアンカー固定するMidsubstance Speedbridging法(以下, MS法)を施行し, 良好な短期成績を得た。

講演1 四肢軟部組織再建におけるOrthoplastic approach

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 澤田英良 先生

整形外科治療において形成外科の技術の併用が必要になる状況が多くあり、Orthoplastic approachとは整形外科医が形成外科分野の知識を習得する重要性について考えた分野である。組織の欠損が生じる状況は主に外傷、感染、阻血壊死、腫瘍であり、腫瘍は術前に形成外科医の介入が決定しているが外傷、感染、阻血壊死については緊急で整形外科医が対応する場合が多い。治療の際には患者要素、医療者要素、治療目標を加味した上で方針を決定する必要がある。

講演2 ハイブリッドOP室における脊椎手術支援ロボットナビゲーション導入とその活用

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 小林和克 先生

ハイブリッド手術室新設への背景として当院において手術件数も上昇傾向であったがCOVID19の流行前の時点で手術件数は頭打ちの状況であった。2019年に手術室造設プロジェクトが立ち上がりその際ハイブリッド手術室が併設されることになった。ハイブリッド手術室は心臓血管外科領域における低侵襲治療を契機に徐々に普及しつつある。