2026年9月17日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。名古屋大学の酒井智久先生の司会により、専攻医による4例の症例提示と重工大須病院よりご講演がありました。
合同カンファレンス記録 (文責:竹市陽介・中島良)
日時:2026年月9月17日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 酒井智久 先生
下垂位で脱臼し外転挙上位で整復される肩関節前方脱臼の1例
八千代病院 桑原克彰 先生
症例は87歳女性で特記すべき既往歴を認めない。日中にうたた寝をしている際右肩関節に亜脱臼感を自覚したが、直後に改善した。2日後、歩行中に明らかな外傷なく右肩関節に強い疼痛を自覚した。近医を受診し、右肩関節前方完全脱臼と診断され、非観血的整復を受けた。整復後のCTで整復位が確認されたため外固定のうえ帰宅したが、夜間に疼痛が増強し、翌日当院を初診した。
分裂膝蓋骨離開を伴う大腿四頭筋腱断裂の1例
公立西知多総合病院 吉川雅通 先生
症例は54歳男性で特記すべき既往歴認めない。仕事中に足が滑り右膝に疼痛が出現、近医のレントゲンで右膝蓋骨骨折を指摘された。当院初診時の身体所見では右膝蓋骨上方に陥凹、皮下血腫、圧痛を認め、膝伸展、SLR不可能であった。CTでは膝蓋骨は2つに分裂しており、各骨片の辺縁は整であった。
股関節脱臼骨折、坐骨神経麻痺後に診断確定したCheckrein deformityの治療経験
岡崎市民病院 夏目啓嗣 先生
症例は53歳男性。48歳時に交通事故で当院へ救急搬送され、右股関節脱臼、寛骨臼後壁骨折の診断となった。右下腿挫創と強い腫脹を認め足関節の背底屈、足趾の伸展屈曲は不可能であった。脱臼整復後、待機的に後壁骨折に対して観血的骨接合術を施行された。術後も右足関節、足趾の動きは改善なく経過した。
Pachydermodactylyの1例
岡崎市民病院 吉本裕哉 先生
Pachydermodactyly(PDD)は、若年男性の近位指節間(PIP)関節周囲に好発する稀な良性・非炎症性軟部組織疾患であり、通常は無痛性で関節機能は保たれる。今回、隣接指間の機械的干渉による疼痛を呈し、外科的治療を行ったPDDの1例を経験したので報告する。
講演1 ダンサー診療 基礎編 ~ダンサーの味方になれる診かた~
重工大須病院 菱田愛加 先生
バレエは優雅で上品なイメージを持たれる一方、高い身体能力と運動量を必要とする総合芸術であり、スポーツと同様にさまざまな外傷・障害が生じる。ダンサーの外傷・障害は足部・足関節に多く、特に女性ではトウシューズの使用やバレエ特有の動作が関与する。また、急性外傷よりもオーバーユースによる障害が多く、障害の発生には誤ったテクニックが関与することがある。
講演2 ここまで来た!膝関節の再生医療
重工大須病院 黒河内和俊 先生
再生医療は、国の成長分野の一つとして研究開発と社会実装が進められている。一方、再生医療と呼ばれる治療には、薬事承認を受けて保険診療として行われる再生医療等製品と、再生医療等安全性確保法の枠組みに基づき、主として自由診療として提供される細胞治療や血液由来治療が含まれている。これらは作用機序、科学的根拠、侵襲性、費用、治療目的がそれぞれ異なるため、当院では同じ「再生医療」として一括して考えるのではなく、それぞれの特徴を患者に説明したうえで、病態や患者の希望に応じて治療を選択している。