9月24日、中日ホール&カンファレンスで名古屋整形外科セミナーを開催いたしました。
まず、刈谷豊田総合病院整形外科 溝上裕也先生から「より安全な脊椎外科治療を目指して -リスク予測と層別化に関する臨床研究-」がありました。脊椎固定術では手術後早期に再手術となるEarly Reoperationが問題となる。558例を対象にした後方視研究ではEarly Reoperationが全体の7.5%に見られ、原因ごとに異なるリスク構造が見られた。さらに感染に関連するEarly Reoperationについては、術前BMIやPLSE(MRIで皮下に見られる浮腫所見)が重要なリスク因子と考えられた。
特別講演には広島大学病院 整形外科 准教授 中前稔生先生をお招きし、「高齢者の腰痛と神経障害性疼痛」のご講演をいただきました。腰痛の疫学研究では非特異腰痛が85%とも言われ世界的な問題である。腰痛の診療では神経症状や年齢、安静時の症状、癌やステロイド治療などのRed flagsに注意し骨折や感染、転移など重篤な病態に留意する必要がある。腰痛、神経痛には圧迫だけでなく炎症因子の関与が重要であることが基礎的研究で示されている。高齢者の腰痛では炎症を示す骨髄浮腫も症状に関与していると考えられている。その治療の一つとして経皮的椎間腔バキューム内セメント注入療法(PIPI)が有用であり、早期から腰痛の改善が見られる。バキュームのない骨髄浮腫を認める中高年には局所の椎体固定も有用な治療のオプションである。基礎研究では薬剤を注入することで椎間板変性モデルを用いて終板障害を惹起させることが可能であり、破骨細胞の増加が終板変性に関与していることが示されている。
多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。