脊椎班

脊椎班
Mission: 脊柱変形、脊椎・脊髄腫瘍、靱帯骨化症などの難治性疾患に対して最先端の安全な治療を提供すること。

高度脊柱変形、脊椎・脊髄腫瘍、靱帯骨化症など一般的に難治性といわれる疾患に加えて、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚髄症といった頻度の高い脊椎疾患に対しても最先端の治療法を取り入れて治療を行っています。
毎週木曜日に専門外来を、火曜日と木曜日に手術治療を行っています。
また研究面においては、難治性脊椎・脊髄疾患の病態解明、術中脊髄モニタリングなどの研究に加え、脊髄再生、骨再生など臨床応用につながる基礎研究を行っています。

診療方針
脊柱変形(側弯症)、腫瘍(脊椎、脊髄)、靱帯骨化症(とくに胸椎)という脊椎疾患の中でも難治性といわれる疾患を主に加療しています。比較的頻度が少なく、その病態解明が十分でないこと、治療法が未確立である難病に対して臨床、基礎研究の両面から解明していくことで、最先端の医療を提供しています。
特徴的な治療
高度脊柱変形:安全に手術を行うために、術中脊髄モニタリングを行い、常に脊髄の状態を把握することで、側弯矯正の際に生じる可能性のある脊髄損傷を未然に防ぐ様にしています。また術中CT、O-armナビゲーションシステムの使用により高度な変形に対する骨切り術、3次元的矯正などの手術も、より安全かつ正確に手術を行えるようにしています。また成人期に生じる脊柱変形に対しては、側方経路椎体間固定術などの低侵襲手術を行うことで、高齢者にも安全に手術をうけて頂けるようにしています。
研究概要
臨床:名古屋大学内での臨床・基礎研究に加え、30病院以上の名古屋大学関連施設(Nagoya Spine Group)の約8万件の大規模手術データを解析し、患者さんにとって、より良い手術方法・手術タイミングなどについて検討を行っています。また、厚生労働省「脊柱靭帯骨化症に関する調査研究」における胸椎靭帯骨化症手術前向き研究を、当大学病院を中心に行っています。

基礎:現在の日本では約10万人の以上の脊髄損傷患者が麻痺を抱えたまま生活を余儀なくされており、毎年5000人以上の患者が脊髄損傷を来たしております。近年は若い世代だけではなく、軽微な転倒で発症する高齢者の非骨傷性頚髄損傷も増加しており、大きな社会的問題となっております。脊髄神経はいちど障害が生じると十分な回復が得られず、脊髄損傷に対する効果的な治療法は確立されていません。名古屋大学整形外科脊椎グループは、脊髄損傷の病態解明ならびに治療開発に向けた基礎研究を行っています。中枢神経系には神経細胞以外にグリア細胞という細胞も存在しており、脊髄損傷の際の瘢痕形成や軸索再生に関与していることがわかっています。我々は、分子細胞学・和氣教授のグループと協力し、動物モデルへの2光子顕微鏡を用いた生体イメージングを応用して脊髄損傷における神経細胞・グリア細胞の機能解明を進めています。また、腫瘍病理学/分子病理学・榎本教授のグループと協力して脊髄損傷における瘢痕形成のメカニズムの解明を進めています。さらに、神経遺伝情報学・大野教授のグループと協力し、既存薬のオフラベル薬効の臨床応用に向けた研究も行っており研究内容は多岐にわたっています。

教授
今釜史郎 Shiro Imagama

卒業年度
1997年
専門
【臨床】脊椎・脊髄腫瘍、脊柱変形(脊柱側弯症・後弯症)、脊柱靱帯骨化症(後縦靱帯骨化、黄色靱帯骨化)
【基礎研究】脊髄再生・保護、骨再生、脊柱変形予防

准教授
中島宏彰 Hiroaki Nakashima

卒業年度
2003年
専門
脊柱側弯症、靭帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍、ナビゲーション手術、低侵襲脊椎手術

助教
伊藤定之 Sadayuki Ito

卒業年度
2006年
専門
脊髄損傷、脊椎変性疾患、頚椎症性脊髄症

助教
世木直喜 Naoki Segi

卒業年度
2008年
専門
脊椎

助教
大内田隼 Jun Ouchida

卒業年度
2010年
専門
脊椎外傷、脊髄損傷、脊椎変性疾患

医員
山内一平 Ippei Yamauchi

卒業年度
2010年
専門
脊椎脊髄疾患、脊柱変形

医員
森田圭則 Yoshinori Morita

卒業年度
2011年
専門
脊椎脊髄疾患

医員
大出幸史 Yukihito Ode

卒業年度
2011年
専門
脊椎脊髄疾患

大学院生
長谷康弘 Yasuhiro Nagatani

卒業年度
2013年
専門
脊椎脊髄疾患

大学院生
岡田裕也 Yuya Okada

卒業年度
2014年
専門
脊椎脊髄疾患、脊椎外傷

大学院生
鏡味佑志朗 Yujiro Kagami

卒業年度
2016年
専門
脊椎脊髄疾患、腰椎変性疾患