肩関節
反復性肩関節脱臼
反復性肩関節脱臼とは、ケガをきっかけに肩が比較的簡単にはずれ易くなり、脱臼を繰り返すようになった状態です。
脱臼を繰り返して日常生活に支障をきたす場合やスポーツ復帰を目指す場合に手術を行っています。基本的に侵襲が比較的少なくてすむ(手術によるキズが小さい)関節鏡を使用して行っています。
- Q1 反復性肩関節脱臼とはどのような状態ですか?
- A1 スポーツや転倒した時などに、肩関節に強い外力が加わることにより脱臼してしまうことがあります。初回の脱臼の際に壊れてしまった部分が元通りには治癒せず、緩んでしまうことで、その後軽度の外力で脱臼を繰り返すようになったものです。俗に言うところの“肩が外れるのがクセになっている”という状態です。初回脱臼を起こした年齢が若い場合は50%以上の確率で反復性脱臼になってしまうと言われています。
- Q2 筋力トレーニングで外れなくなるのでしょうか
- A2 脱臼した際に壊れて緩んでしまった部分(靱帯や関節包など)がありますので、ある角度になるとどうしても脱臼してしまいます。筋力を鍛えることで、そのような角度になりにくくすることはできますが、確実に脱臼を防ぐという訳にはいきません。バランスの悪い筋力をつけるとかえって脱臼しやすくなる可能性もありますので、正しい筋力トレーニングを知っておく必要があります。
- Q3 どのような治療法がありますか?
- A3 初回脱臼時に外旋位固定という方法で固定をすることで反復性脱臼になる確率を半減できるという説もありますが、反復性になってしまった場合は筋力トレーニングやサポーターなどで外れないように気をつけて過ごすか、手術をして靱帯の緊張を取り戻す必要があります。また骨が欠けてしまっている場合もありますので、やはりその状態に応じた手術が必要になります。現在では関節鏡を使った手術が主流で、ほとんどの患者さんが日常生活で脱臼することはなくなります。ラグビーや柔道、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではやや再脱臼率が高いと言われており、通常の方法に補強術を加えた手術を主に行っています。
腱板断裂(けんばんだんれつ)
外来通院でのリハビリテーションや注射による治療で症状が治まらない場合、関節鏡を使用した腱板修復術を行っています。また、高齢者で断裂が大きく、修復が難しい場合にはリバース型人工肩関節置換術を行っております。