受賞おめでとうございます

米田英正先生 学会賞外科部門(第37回日本末梢神経学会学術集会)

この度、第37回日本末梢神経学会学術集会において、「患者立脚評価Hand20を用いた手根管開放術の術後成績予測AIモデルの構築と検証」について学会賞をいただきました。受賞にあたり,モデル作成やデータベースの作成にご協力いただきました手の外科の先生方に厚く御礼申し上げます。

手根管症候群は安定した疼痛やしびれの緩和効果がある一方で,運動麻痺や手の機能の改善については個人差があります。今回の研究では,名古屋大学手の外科で過去に開発した患者立脚評価Hand20を用いた機械学習での予測モデルを作成し,手の機能面での一定の確率での予測を可能としました。またAIのブラックボックスの課題にも取り組み,SHAP解析を行い,結果を左右するモデル構造にも踏み込みました。これらの成果については近日中に国際雑誌に掲載予定です。本研究の次の目標として,多施設でのexternal validationやAIのチューニングに努めてまいります。

米田英正

受賞おめでとうございます

大島和馬先生 優秀演題賞 一般・症例報告(Cervical Spine Day in Autumn 2026)

このたび、Cervical Spine Day in Autumn 2026において、演題「AIS C外傷性頚髄損傷手術例における急性期ステロイド投与と神経学的予後との関連」が、一般・症例報告部門の優秀演題賞に選出されました。

本会は、国際頚椎学会日本機構(CSRS-J)、圧迫性脊髄症研究会、首下がり研究会の3団体により合同開催された学術集会です。CSRS-Jは、アジア・太平洋、欧州、北米の国際頚椎学会と連携し、頚椎診療・研究の発展に取り組んでいます。全国の頚椎・脊髄診療の専門家が集う本会で、このような賞をいただけたことを大変光栄に存じます。

本研究をご指導いただいた中島先生をはじめ、脊椎班の先生方、ならびにデータベースの構築と症例登録にご尽力いただいた先生方に、厚く御礼申し上げます。

頚髄損傷に対するステロイドをはじめとする薬物療法には、有効性や安全性について、なお検討すべき課題が残されています。今回の受賞を励みに、患者様の機能回復とより良い治療につながる知見を積み重ねられるよう、今後も臨床と研究に努めてまいります。

大島和馬

2026年10月1日 鶴舞整形外科エキスパートセミナーを開催しました

10月1日、中日ホール&カンファレンスにて鶴舞整形外科エキスパートセミナーをハイブリッド形式で開催いたしました。総合座長は名古屋大学大学院医学系研究科 整形外科学/リウマチ学 教授 今釜史郎先生にお務めいただきました。

まず、一般講演として、トヨタ記念病院 整形外科 医長 吉田和樹先生から「TKAの前に考えたい変形性膝関節症に対する関節温存手術」がありました。

特別講演には高知大学医学部 整形外科 教授 池内昌彦先生をお招きし、「変形性膝関節症と神経障害性疼痛~疼痛研究からみえた課題と展望~」のご講演をいただきました。早期膝OA(Early OA)では動的な半月板逸脱が滑膜炎や疼痛と強く関連しており、MRIやエコーによる評価が重要であり、膝OAの痛みには炎症だけでなく神経系の感作(ペイン・センシタイゼーション)が関与しており、その評価と病態に応じた薬物療法の選択が求められるということでした。また、超高齢・フレイル患者に対しては、多職種チーム「フレイルバスターズ」による2泊3日の術前評価・介入プログラムを実施し、栄養状態やリハビリテーション上の課題を手術前から把握し介入しているようで、今後のどのような成果が報告されるのか期待される内容でした。さらに90歳を超える超高齢者に対しても低侵襲なUKAやロボット支援手術を積極的に活用しており、手術ができない患者さんへのラジオ波を用いた治療法も紹介していただきました。最後に、TKA術後の遷延疼痛に対するカテーテル治療の試みもご報告していただきました。

ウェブを含めて多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

2026年9月24日 名古屋整形外科セミナーを開催しました

9月24日、中日ホール&カンファレンスで名古屋整形外科セミナーを開催いたしました。

まず、刈谷豊田総合病院整形外科 溝上裕也先生から「より安全な脊椎外科治療を目指して -リスク予測と層別化に関する臨床研究-」がありました。脊椎固定術では手術後早期に再手術となるEarly Reoperationが問題となる。558例を対象にした後方視研究ではEarly Reoperationが全体の7.5%に見られ、原因ごとに異なるリスク構造が見られた。さらに感染に関連するEarly Reoperationについては、術前BMIやPLSE(MRIで皮下に見られる浮腫所見)が重要なリスク因子と考えられた。

特別講演には広島大学病院 整形外科 准教授 中前稔生先生をお招きし、「高齢者の腰痛と神経障害性疼痛」のご講演をいただきました。腰痛の疫学研究では非特異腰痛が85%とも言われ世界的な問題である。腰痛の診療では神経症状や年齢、安静時の症状、癌やステロイド治療などのRed flagsに注意し骨折や感染、転移など重篤な病態に留意する必要がある。腰痛、神経痛には圧迫だけでなく炎症因子の関与が重要であることが基礎的研究で示されている。高齢者の腰痛では炎症を示す骨髄浮腫も症状に関与していると考えられている。その治療の一つとして経皮的椎間腔バキューム内セメント注入療法(PIPI)が有用であり、早期から腰痛の改善が見られる。バキュームのない骨髄浮腫を認める中高年には局所の椎体固定も有用な治療のオプションである。基礎研究では薬剤を注入することで椎間板変性モデルを用いて終板障害を惹起させることが可能であり、破骨細胞の増加が終板変性に関与していることが示されている。

多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

2026年9月 合同カンファレンス報告

2026年9月17日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。名古屋大学の酒井智久先生の司会により、専攻医による4例の症例提示と重工大須病院よりご講演がありました。

合同カンファレンス記録 (文責:竹市陽介・中島良)
日時:2026年月9月17日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 酒井智久 先生

下垂位で脱臼し外転挙上位で整復される肩関節前方脱臼の1例

八千代病院 桑原克彰 先生

症例は87歳女性で特記すべき既往歴を認めない。日中にうたた寝をしている際右肩関節に亜脱臼感を自覚したが、直後に改善した。2日後、歩行中に明らかな外傷なく右肩関節に強い疼痛を自覚した。近医を受診し、右肩関節前方完全脱臼と診断され、非観血的整復を受けた。整復後のCTで整復位が確認されたため外固定のうえ帰宅したが、夜間に疼痛が増強し、翌日当院を初診した。

分裂膝蓋骨離開を伴う大腿四頭筋腱断裂の1例

公立西知多総合病院 吉川雅通 先生

症例は54歳男性で特記すべき既往歴認めない。仕事中に足が滑り右膝に疼痛が出現、近医のレントゲンで右膝蓋骨骨折を指摘された。当院初診時の身体所見では右膝蓋骨上方に陥凹、皮下血腫、圧痛を認め、膝伸展、SLR不可能であった。CTでは膝蓋骨は2つに分裂しており、各骨片の辺縁は整であった。

股関節脱臼骨折、坐骨神経麻痺後に診断確定したCheckrein deformityの治療経験

岡崎市民病院 夏目啓嗣 先生

症例は53歳男性。48歳時に交通事故で当院へ救急搬送され、右股関節脱臼、寛骨臼後壁骨折の診断となった。右下腿挫創と強い腫脹を認め足関節の背底屈、足趾の伸展屈曲は不可能であった。脱臼整復後、待機的に後壁骨折に対して観血的骨接合術を施行された。術後も右足関節、足趾の動きは改善なく経過した。

Pachydermodactylyの1例

岡崎市民病院 吉本裕哉 先生

Pachydermodactyly(PDD)は、若年男性の近位指節間(PIP)関節周囲に好発する稀な良性・非炎症性軟部組織疾患であり、通常は無痛性で関節機能は保たれる。今回、隣接指間の機械的干渉による疼痛を呈し、外科的治療を行ったPDDの1例を経験したので報告する。

講演1 ダンサー診療 基礎編 ~ダンサーの味方になれる診かた~

重工大須病院 菱田愛加 先生

バレエは優雅で上品なイメージを持たれる一方、高い身体能力と運動量を必要とする総合芸術であり、スポーツと同様にさまざまな外傷・障害が生じる。ダンサーの外傷・障害は足部・足関節に多く、特に女性ではトウシューズの使用やバレエ特有の動作が関与する。また、急性外傷よりもオーバーユースによる障害が多く、障害の発生には誤ったテクニックが関与することがある。

講演2 ここまで来た!膝関節の再生医療

重工大須病院 黒河内和俊 先生

再生医療は、国の成長分野の一つとして研究開発と社会実装が進められている。一方、再生医療と呼ばれる治療には、薬事承認を受けて保険診療として行われる再生医療等製品と、再生医療等安全性確保法の枠組みに基づき、主として自由診療として提供される細胞治療や血液由来治療が含まれている。これらは作用機序、科学的根拠、侵襲性、費用、治療目的がそれぞれ異なるため、当院では同じ「再生医療」として一括して考えるのではなく、それぞれの特徴を患者に説明したうえで、病態や患者の希望に応じて治療を選択している。

受賞おめでとうございます

斉藤祐樹先生 若手奨励セッション最優秀賞(第37回日本リウマチ学会中部支部学術集会)

このたび、第37回日本リウマチ学会中部支部学術集会におきまして、演題「Rheumatoid sarcopeniaの診断におけるphase angleの有用性の検証」が若手奨励セッション最優秀賞に選出されました。ご指導いただきました鈴木先生をはじめ教室の諸先生方、ならびにレジストリの構築・運営にご尽力いただいた先生方に、御礼申し上げます。関節リウマチにおけるサルコペニアの研究は未だ発展途上にあり、リウマチ整形外科医として取り組むべき課題は多いと考えております。今回の受賞を励みに、今後も臨床・研究に努めてまいります。

斉藤祐樹

サーバーメンテナンスのお知らせ

サーバー会社より、以下のとおりメンテナンス実施のご連絡がありましたので、ご案内申し上げます。

作業日時
2026年8月12日(水)20:00頃 〜 2026年8月13日(木)2:00頃

上記時間帯のうち、最大3時間程度の通信断(サイトへのアクセス不可)が発生する見込みです。

受賞おめでとうございます

世木直喜先生 Best Presentation Award(第14回JASA)

此度、第14回JASAにおいてBest Presentation Awardを頂戴しました。当教室から発信している画像評価概念が様々な方向に発展し、多くの興味を惹き、検証されていることに感謝するとともに、今後もさらに学術的な興味を解決できる道具となることに期待して研究・実験を次の段階に進めております。ご指導くださる先生方、一緒に議論してくださる多くの先生方に感謝申し上げます。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。

世木直喜

Nagatani Y, Segi N, Ito S, et al. Fine versus Sclerotic Trabecular Bone Remodeling/Restructure: A Refined Radiographic Predictor for Long-Term Segment Stability After Posterior Lumbar Interbody Fusion. Global Spine J 2025;16(3):1542–1554; doi: 10.1177/21925682251385533.

2026年7月 合同カンファレンス報告

2026年7月16日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。名古屋大学の佐伯総太先生の司会により、専攻医による4例の症例提示と公立西知多総合病院よりご講演がありました。

合同カンファレンス記録 (文責:成瀬啓太・金子怜奈)
日時:2026年月7月16日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 佐伯総太 先生

熊咬創による右前腕コンパートメント症候群・皮膚欠損創に対して遊離大腿筋膜張筋皮弁術を施行した一例

刈谷豊田総合病院 治田周平 先生

症例は52歳の男性で特記すべき既往を認めない。長野県で登山中に熊に遭遇し右前腕を咬まれ、その後自力で運転して当院を受診した。来院時、右前腕屈側と尺背側に皮膚欠損を伴う挫滅創を認め、尺骨神経領域に運動・感覚障害を認めた。

脛骨腓骨開放骨折Gustilo分類ⅢBに対し、Masquelet法と遊離皮弁術による再建を行った一例

名古屋大学医学部附属病院 百留和馬 先生

症例は57歳、男性、既往などに特記すべき事項は認めない。運送業務中に、1トンの荷物が右下腿に落下し受傷。初診時の身体所見では、右下腿の明らかな変形と下腿の内外側に2-3cm程度の裂創を数個認めた。単純X線写真で、AO分類42C3、4F2Bの脛骨腓骨骨幹部骨折の診断となった。

重度肘窩部複合損傷に対して救肢・機能再建を行った1例

愛知医療センター名古屋第一病院 内堀和輝 先生

被覆を要する肘外傷の多くは伸側に生じるが、屈側損傷では神経血管・筋腱が露出し、救肢と機能再建の両立が課題となる。症例は20歳男性。交通外傷により右肘屈側の広範な皮膚欠損、上腕動脈断裂、肘脱臼骨折、上腕骨遠位関節面損傷、肘屈筋腱損傷、正中・橈骨神経欠損を認めた。

若年女性に認めた月状骨-有頭骨関節限局性軟骨破壊の1例

安城更生病院 大川雅豊 先生

症例は32歳女性。誘因なく出現した右手関節痛を主訴に前医を受診した。MRIで月状骨-有頭骨関節優位の滑膜炎を認め、ステロイド・局所麻酔薬の関節内注射により症状は1日のみ改善したが再燃し、精査加療目的に当院紹介となった。

講演1 当院における化膿性関節炎の傾向

公立西知多総合病院 樋田大輔 先生

2015年5月から2026年2月までに、当院で化膿性または結核性関節炎に対して掻爬術を施行した74例を後方視的に検討した。男性44例、女性30例で、平均年齢は66.7歳、男性63.8歳、女性71.2歳であり、50歳代以降の高齢者に多く認められた。年間症例数は3~10例程度で推移し、近年はやや増加傾向を示した。

講演2 上肢脱臼の発生頻度 肩、肘、手指PIP、その次は?

公立西知多総合病院 浦野秀樹 先生

2015/5~2025/4に整形外科またはERで肩関節以遠の「脱臼」と病名登録された症例のうち、単純レントゲンで脱臼位画像なし、骨折のみ、脱臼骨折、3か月未満の再脱臼したものを除外した、単純性脱臼を対象とした。評価項目は部位別の発生頻度、三脱臼の次に発生頻度の高い脱臼の初期対応とした。

受賞おめでとうございます

井戸洋旭先生 第54回日本関節病学会 2026年度最優秀論文賞

このたび、第54回日本関節病学会において、論文「酸化ストレスが変形性膝関節症の進行に及ぼす影響―Yakumo Study―」が2026年度最優秀論文賞を受賞いたしました。
また、本学会では同門から学会最優秀賞、学会奨励賞、最優秀論文賞を合わせて4名が受賞するという、大変喜ばしく、印象深い結果となりました。
今回、このような栄誉ある賞をいただくことができましたのは、竹上靖彦先生、大澤郁介先生をはじめ共同研究者の先生方、ならびに長年にわたりYakumo Studyにご協力いただいている八雲町の皆様のおかげです。心より御礼申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後も臨床に還元できるエビデンスの創出を目指し、臨床研究に一層励んでまいります。
井戸洋旭

大高圭司先生 第54回日本関節病学会 2026年度最優秀論文賞

このたび、第54回日本関節病学会におきまして、論文「ステロイド関連大腿骨頭壊死患者に併発する多発骨壊死のリスク因子 -患者レジストリシステムからの報告-」が2026年度最優秀論文賞を受賞いたしました。
本研究は、厚生労働省の大腿骨頭壊死症研究班のデータを解析し、まとめたものです。 日頃よりご指導いただいております竹上先生、大澤先生、ならびに本研究において多大なるご協力を賜りました大阪公立大学の福島先生、山口大学の坂井先生をはじめ、データ提供にご協力いただきました多くの先生方に心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後も臨床研究および日々の診療に一層邁進してまいります。
大高圭司

横井寛之先生 第54回日本関節病学会 学術集会会長賞最優秀賞

この度、第54回日本関節病学会において「学会会長賞 最優秀賞」を賜りましたのでご報告申し上げます。会長賞候補演題にノミネートされ、会長をはじめとする審査員の先生方に評価いただきながら発表する機会は大変緊張しましたが、本研究成果を多くの先生方に聞いていただく貴重な機会となりました。
受賞した研究は「Early stageの大腿骨頭壊死における骨髄浮腫範囲と疼痛および予後との関連」です。MRIで認められる骨髄浮腫は大腿骨頭壊死における疼痛や病態進行との関連が報告されていますが、その広がりに着目した臨床的検討は十分ではありませんでした。
本研究では単純X線で圧潰を認めないearly stageの大腿骨頭壊死を対象に、MRI上の骨髄浮腫範囲を4段階に分類し、疼痛および骨頭圧潰との関連を検討しました。その結果、骨髄浮腫範囲が広いほど疼痛が強く、さらに骨頭圧潰のリスクも高いことが明らかとなりました。また、骨髄浮腫範囲はJIC分類を補完する予後予測指標となる可能性が示されました。
本研究成果はearly stageの大腿骨頭壊死症における治療方針決定や予後予測の画像指標となることが期待されます。今後は本研究を発展させ、新たな治療戦略の確立につながる研究を進めていきたいと考えています。
最後に、研究の遂行から発表に至るまで多大なるご指導を賜りました大澤郁介先生に深く御礼申し上げます。また、日頃よりご指導いただいております股関節班の先生方、研究の場を与えていただいている今釜史郎教授、ならびに関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
横井寛之

富田剛之將先生 第54回日本関節病学会 研修医奨励賞

このたび、2026年7月3日から4日に開催された第54回日本関節病学会において、学術集会研修医奨励賞を受賞いたしました。本研究をご指導いただきました竹上先生、大澤先生、船橋先生をはじめ、多くの先生方に心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も論文作成および学会発表に真摯に取り組んでまいります。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
名古屋大学整形外科・長野赤十字病院 富田剛之將