2026年2月3日 Nagoya Orthopaedics Expert Seminarを開催しました

2月3日、Nagoya Orthopaedics Expert Seminarを開催しました。
一般講演では、刈谷豊田総合病院 手外科・四肢外傷外科 部長の夏目唯弘先生をお招きし、「手外科医が担う関節リウマチ診療:診断から薬物治療・手術まで」と題して、リウマチおよび手外科の専門医としての視点から、的確な診断と薬物治療の面白さ、ならびに適切な外科的介入の重要性についてご講演いただきました。
また特別講演では、京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)准教授の小田 良先生をお招きし、「リウマチ整形外科医による変形と神経障害性疼痛のマネージメント」と題してご講演を賜りました。
基礎研究については、人工神経導管を用いた末梢神経欠損モデルにおいて、再生軸索や筋萎縮抑制を指標とした治療効果の検証から、Diffusion Tensor Imaging(DTI)を用いた評価、さらには細胞が有するサーカディアンリズムに関する知見に至るまで、幅広い研究領域にわたる示唆をいただきました。
臨床面では、関節リウマチ手の変形に関するコホート研究をはじめ、変形と機能障害の進行機序や術式選択の考え方について詳説いただきました。特に、Type I母指変形の機能をTerrono分類で横断的に評価し、尺側偏位に対する新しい関節温存術の治療成績を提示いただいた点は大変示唆に富み、非常に勉強になりました。

2026年1月30日 鶴舞整形外科エキスパートセミナーを開催しました

1月30日、ミッドランドホールにおいて鶴舞整形外科エキスパートセミナーを開催いたしました。

まず犬山中央病院 整形外科 佐藤有真先生から、パーキンソン病を持つ患者へのBKP、BKP後の椎体同士に挟まれたサンドイッチ椎体などやや特殊な症例に対するBKPの経験などについて、講演「BKP high-volume centerで学んだこと」がありました。

講師には、和歌山県立医科大学 整形外科学講座 准教授 岩崎博先生をお招きし、「脊椎エコーのすべて 第Zero版 ~神経障害性疼痛治療に使ってみませんか~」と題してご講演いただきました。エコーは腰臀部痛、頚部神経根症の診断や治療に非常に有用なツールである。ただし、問診と身体所見による症候学が大切。仙腸関節障害の診断・治療、脊椎疾患に関連する股関節症状の診断、外側障害の治療などさまざまに活用できる。頚椎ではC7は前結節を欠くことに注意して高位を同定。エコーがあれば診察室ですぐにひどい痛みの治療が可能であるほか、高位診断を確定できる。「脊椎エコーのすべて」必携。

多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

2026年1月29日 名古屋整形外科セミナーを開催しました

1月29日、中日ビルにおいて名古屋整形外科セミナーを開催いたしました。

まず安城更生病院 整形外科 伊藤大貴先生から、講演「胸椎-骨盤固定における上位固定端ごとの合併症率の検討」がありました。

講師には、京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室) 准教授の長江将輝先生をお招きし、「低侵襲脊椎手術から見えてきた神経障害性疼痛の知見」と題してご講演いただきました。長江先生には、豊富な手術経験に基づく低侵襲手術の長期成績や、神経障害性疼痛への向き合い方についてご講演いただき、多くの知見を得ることができました。多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

2026年1月 合同カンファレンス報告

2026年1月15日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。名古屋大学の佐伯岳紀人先生の司会により、専攻医による3例の症例提示と中日病院よりご講演がありました。

合同カンファレンス記録 (文責:長谷康弘・柘植峻)
日時:2026年月1月15日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 佐伯岳紀 先生

人工関節周囲非定型骨折の1例

豊橋市民病院 北澤秀平 先生
大腿骨非定型骨折(AFF)の骨折形態を伴う人工関節周囲骨折(PFF)である人工関節周囲非定型骨折(APFF)は治療が困難であるが報告が少ない。今回我々はAPFFと診断した1例を経験した。

肩甲骨骨折にて骨接合を要した一例

長野赤十字病院 稲垣智也 先生
症例は36歳、男性。歩行中、後方より時速50 kmで走行中の軽トラックに衝突され受傷した。単純X線およびCTにて右肩甲骨骨折を認めた。

大腿骨転子部骨折術後破綻例に対して横どめスクリュー機構をもつセメントレスステムで加療した一例

JA愛知厚生連渥美病院 下田敦宏 先生
症例は69歳女性、転倒して右股関節痛を自覚、前医に搬送された。併存症は両側変形性膝関節症、糖尿病、心房細動であった。右大腿骨転子部骨折と診断され、受傷後3日に骨接合術(Synthes TFNA)が施行された。

講演1 当院における舟状骨偽関節手術の骨癒合率ー手術的加療にて骨癒合が得られなかった場合のサルベージ手術についてもー

中日病院 西塚隆伸 先生

舟状骨偽関節とSNAC wristについて。舟状骨の血流は乏しく、遠位からの逆行性流入となる。腰部骨折が65%と最も多く、治療は安定型であれば6週のギプス固定が原則だが、早期社会復帰希望される場合や不安定型は手術適応となる。受傷後に見逃されている場合や保存で癒合が見られない場合は偽関節のリスクやhumpback変形、DISI変形など手関節全体の問題となる。

講演2  プロアスリートの中手骨骨幹部骨折の競技特性―BPS modelを踏まえた治療、復帰過程―

中日病院 中尾悦宏 先生

スポーツ外傷では競技の特徴や競技特性を理解した上で判断する必要がある。さらに、選手のレベルや置かれている環境、主力か控えか、復帰期限、契約、チーム事情といった背景が治療目標を大きく左右する。したがって、スポーツ医療では多角的視点が必須となる。このような状況で重要となる概念がBPSモデルである。BPSモデルとはBio・Psycho・Socialを包括的に考える枠組みである。

2025年12月3日 名古屋整形外科セミナーを開催しました

12月3日、ミッドランドホールにおいて名古屋整形外科セミナーを開催いたしました。

講師には、自治医科大学附属さいたま医療センター整形外科教授の秋山達先生をお招きし、「がんロコモにおける神経障害性疼痛診療の重要性 ―腫瘍整形外科学的集学的マネージメントの観点から―」と題してご講演いただきました。

秋山先生には、豊富な手術経験に基づく骨盤手術の実際や、神経障害性疼痛への向き合い方についてご講演いただき、多くの知見を得ることができました。当日は多数の先生方にご参加いただき、誠にありがとうございました。

2025年12月 合同カンファレンス報告

2025年12月11日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。
名古屋大学の鈴木望人先生の司会により、専攻医による4例の症例提示と中東遠総合医療センターよりご講演がありました。

合同カンファレンス記録 (文責:松浦唯・舘寛人)
日時:2025年月12月11日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 鈴木望人 先生

急性感染性電撃性紫斑病による四肢末梢壊死に対して再建術を施行した1例

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 早稲倉崚真 先生

急性感染性電撃性紫斑病(AIPF)は急速に進行する播種性血管内凝固と多臓器不全を特徴とし、致死率が極めて高い病態である。敗血症コントロールと抗凝固療法が治療の主体。本症例は、前胸部壊死性筋膜炎とG群溶連菌による劇症型菌血症から敗血症性ショックを呈し、AIPFに伴う対称性四肢壊死(SPG)を発症した71歳男性である。

足関節インプラント周囲骨折に対して順行性髄内釘を用いて距腿関節固定を実施した1例

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 坂田裕 先生

本症例は、SOTOS症候群を基礎疾患にもつ22歳男性であり、外傷エピソードなく右足関節の腫脹を自覚して当院を受診した。初診時のX線では脛骨遠位部骨折(AO分類43-A)および腓骨骨折を認め、明らかな外傷歴がない点から、基礎疾患に伴う骨質不良やCharcot関節様変化の関与が示唆された。

手術加療を要した腓骨骨幹部偽関節の一例

久美愛厚生病院 永金宗臣 先生

腓骨骨幹部骨折は脛骨骨折に合併して生じることが多く、単独での骨折は比較的稀である。また安定性が得られやすく、保存療法にて治癒することが多い。今回、手術を行った腓骨偽関節の一例を経験したので報告する。症例は64歳男性。スキーで転倒し受傷、近医にて左腓骨骨幹部骨折と診断され保存的に加療された。

高度不安定性を伴う脛骨高原骨折に対して予防的CLAPを併用し段階的内固定を行った一例

名古屋医療センター 武藤聡志 先生

本症例は、7mの高さの木から転落した48歳男性であり、搬送時より右膝周囲に高度な腫脹と変形を認めた。既往に特記すべき事項はなかった。X線・CT により、Schatzker VI 型、AO 41C3.3 に分類される高エネルギー外傷に伴う脛骨高原骨折と診断された。

講演1 感染性偽関節の再建はじめました

中東遠総合医療センター 仲野隆彦 先生

2025年7月から当院の「手外科センター」は「手外科・外傷再建センター」として再編される。従来の手外科に加え、重度四肢外傷や骨盤・寛骨臼骨折など高度外傷に対応する体制を強化するためである。重度外傷再建はこの数十年で大きく進歩し、1986年の Godina による早期デブリドマンと72時間以内の軟部再建、2000年の Gopal の “Fix & Flap” が基盤となってきた。本講義では、感染性偽関節の概念、診断基準、治療原則、再建方法を症例とともに解説する。

講演2 思ったよりも役に立つ ガラパゴス的手指外傷治療

中東遠総合医療センター 石井久雄 先生

今回は私が行っている指尖部切断に対する graft-on-flap 法に焦点を当てる。年齢分布を見ると、小児例が中心で、基節骨骨折は10歳以降に多く、中節骨骨折はより低年齢にもみられる。年齢による損傷形態の違いは治療選択に影響する。graft-on-flap 法は松井らが1995年に原法を報告し、平瀬らが2003年に命名した。再接着が困難な症例、特に爪床損傷を伴う指尖部外傷に対する再建法として定着した。かつては断端形成を主体とし、掌側V-Y皮弁も併用していたが、oblique triangular flap を用いることで整容性と長さの回復が改善し、再建の幅が広がった。

2025年11月 合同カンファレンス報告

2025年11月20日(木)、合同カンファレンスをweb開催しましたので、ご報告いたします。
名古屋大学の米田英正先生の司会により、専攻医による4例の症例提示と西尾市民病院よりご講演がありました。

合同カンファレンス記録 (文責:中島良・村瀬史典)
日時:2025年月11月20日(木)18:30~
場所:Web開催
司会:名古屋大学 米田英正 先生

ビスホスホネート製剤内服から3年以内に非定型骨折を発症した透析患者の1例

豊田厚生病院 小早川隼輝先生

今回透析患者がビスホスホネート製剤を投与開始してから,2年8ヶ月という短期間で非定型骨折が疑われる左大腿骨転子下骨折を発症した症例について報告する.症例は53歳女性.自宅内で転倒し,当科受診.非定型骨折と思われる左大腿骨転子下骨折と診断された.

THAにおける AL-Supine -Pathアプローチの使用経験

長野赤十字病院 小西正晃先生

DAA 縦皮切では瘢痕や創治癒遅延が問題となり,審美性に優れる Bikini 皮切が注目されている。しかしALS展開でのBikini皮切は、皮膚張力により深部展開が困難で臼蓋操作が制限されるのが問題となる。そこで、遠位ポータルから臼蓋操作を補助するSuperPath を ALS に組み合わせたアプローチが注目されており、実際に適応した症例を経験した。

環状型創外固定器を使用した大腿骨粉砕骨折の治療戦略

長野赤十字病院 渕野孝明先生

当院では2019年より粉砕、骨欠損を伴う大腿骨骨幹部・遠位端骨折に対して環状型創外固定器による変形矯正後、二期的にORIFを行う方針としていたが、環状型創外固定器を使用し変形矯正を行い、一期的にORIFを施行した症例を経験したため比較検討した。

上腕骨通顆骨折術後に橈骨神経麻痺を合併した1例

稲沢市民病院 柴田倫子先生

症例は58歳女、性脳梗塞の既往がありクロピドグレル内服中。自転車転倒にて右肘を打撲し当院救急外来を受診した。受診時手指自動運動は良好であり明らかな神経所見はみとめなかった。レントゲンにて右上腕骨通顆骨折の診断とし受傷後8日目に骨接合術を行なった。

講演 当院の診療の紹介と最近の顎骨壊死症例について

碧南市民病院 松原浩之先生

最近の顎骨壊死症例については2003年よりBPによる薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)の報告は増加しており、ポジションペーパーが2023年に策定された。MRONJの定義として、BPやDmabなどの治療歴、8週以上骨露出が持続、放射線治療歴がないという3点を満たす場合となる。様々な発生機序が示唆されているが、中心的な仮説としては骨リモデリング抑制と細菌感染がいわれており、他にも血管新生や軟部組織修復障害が関与しているとされる。

受賞おめでとうございます

船橋洋人先生 第36回大正Award(日本股関節学会)

この度下関で開催されました第52回日本股関節学会にて、第36回大正Award 優秀賞を受賞させていただきました。
受賞論文は「臼蓋形成不全症例の臼蓋被覆の性差は骨盤形態の性差と関連するか」です。
大学での研究をこのように評価いただき、大変光栄に存じますとともに、これまでご指導を賜りました先生方に心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後も研究活動に邁進してまいります。

船橋洋人

受賞おめでとうございます

中部整災奨励賞を2名の先生が受賞されました。おめでとうございます。

澤村健太先生 学会奨励賞・基礎部門(第145回中部日本整形外科災害外科学会)

このたび、第145回中部日本整形外科災害外科学会において「メクロジンと成長ホルモンは軟骨無形成症の実験モデルにおける骨長と骨質を改善する」というテーマで、学会奨励賞を受賞いたしました。大学での研究をこのように評価いただき、大変光栄に存じますとともに、これまでご指導を賜りました先生方に心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も研究活動に邁進してまいります。
澤村健太

飯田浩貴先生 学会奨励賞・臨床部門(第145回中部日本整形外科災害外科学会)

この度、受賞させていただきました。ひとえに今釜教授をはじめTRON研究の立ち上げから、ご指導いただいた竹上先生、大澤先生、最も大変なdataを収集してくださった専攻医の先生方のおかげです。次は外病院で自分で蓄積したdataでawardをとることを目標に頑張ろうと思います。皆様、今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
飯田浩貴